「2016年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」を公表します

参照元URL : http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=240641

平成30年2月6日
【照会先】
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室
室 長 補 佐  小池 紘一郎 (内 2910)
衛生専門官  中尾 祐輔 (内 2423)
(代表電話) 03-5253-1111
(直通電話) 03-3595-2298

報道関係者各位

 

 

「2016年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」を公表します

 

 

 

厚生労働省は、本日、「2016年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」を公表します。

本報告は、モニター病院と公益財団法人 日本中毒情報センターからの情報をもとに、家庭用品などによる健康被害の情報を毎年とりまとめているもので、「皮膚障害」、「小児の誤飲事故」、「吸入事故」に関する報告で構成されています。

 報告のポイントは以下の通りです。

 

 

【報告のポイント】

■皮膚障害

装飾品によるものが24.5%と最も多かった。

<使用者へのアドバイス>

症状が発現した場合には、原因製品の使用を中止し、医療機関を受診しましょう。

■小児の誤飲事故

タバコによるものが20.2%と最も多かった。

<使用者へのアドバイス>

タバコの取り扱い・保管方法に注意し、
飲料の空き缶やペットボトルを灰皿代わりにしないようにしましょう。

■吸入事故

洗浄剤によるものが23.4%と最も多かった。

<使用者へのアドバイス>

 使用上の注意をよく読み、正しく使用しましょう。

ポイントの詳細は別添の「家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告の概要」をご参照下さい。

 


(別添)家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告の概要

 本制度は、モニター病院(皮膚科※1、小児科※2)の医師が家庭用品などによる健康被害と考えられる事例(皮膚障害、小児の誤飲事故)や、公益財団法人日本中毒情報センター※3が収集した家庭用品などによる吸入事故と考えられる事例について、それぞれ厚生労働省に報告する制度です。

 ※1: 全国10施設

 ※2:全国10施設

 ※3:化学物質等に起因する急性中毒等について、一般国民及び医療従事者等に対する啓発、情報提供等を行っている。

 それぞれの報告件数の詳細は以下のとおりです。(表)

表 2016年度
家庭用品等による健康被害等のべ報告件数 (上位10品目及び総数)

皮膚障害

小児の誤飲事故

吸入事故

装飾品

27

24.5

タバコ

147

20.2

洗浄剤(住宅用・家具用)※2

294

23.4

ゴム・ビニール手袋

14

12.7

医薬品・医薬部外品

108

14.8

殺虫剤

276

22.0

下着

9

8.2

プラスチック製品

72

9.9

漂白剤

123

9.8

めがね

7

6.4

食品類

61

8.4

芳香・消臭・脱臭剤

90

7.2

時計

5

4.5

玩具

52

7.1

除菌剤

59

4.7

スポーツ用品

3

2.7

金属製品

42

5.8

防水スプレー

55

4.4

運動靴

3

2.7

硬貨

32

4.4

洗剤(洗濯用・台所用)

53

4.2

履き物(革靴・運動靴を除く)

革靴

ベルト

接着剤

ビューラー (同数)

2

1.8

洗剤類

29

4.0

園芸用殺虫・殺菌剤

44

3.5

電池

23

3.2

忌避剤

30

2.4

文具類

18

2.5

乾燥剤

22

1.8

総数

※4

 

110

100.0

総数

728

100.0

総数

1,256

100.0

※4:皮膚障害では、原因と推定される家庭用品等が複数挙げられている事例があるため、報告件数の合計(110件)は、報告事例数(101例)と異なっている。

※5:
排水パイプ用洗浄剤については、2014年度までは水酸化ナトリウム(排水パイプ用)、2015年度は排水パイプ用洗浄剤として分類整理していたが、2016年度より洗浄剤(住宅用・家具用)に統合した。

なお、本制度の対象製品は、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」(昭和48年法律第112号)が対象とする家庭用品ではない製品(タバコ、医薬品、食品等)も一部含まれています。

1.家庭用品等に係る皮膚障害に関する報告

(1)報告の概要と考察

・最も多く報告された家庭用品の種類は、装飾品で27件(24.5%)でした。

・性別は、女性が84例(83.2%)と大半を占めました。

・皮膚障害の種類は、「アレルギー性接触皮膚炎」63件(54.5%)と「刺激性接触皮膚炎」39件(39.6%)がほとんどを占めました。

・パッチテストの結果では、ニッケル、金、コバルトにアレルギー反応を示した例が多く見られました。

家庭用品を主な原因とする皮膚障害は、原因家庭用品との接触によって発生する場合がほとんどです。家庭用品を使用して、接触部位にかゆみ、湿疹などの症状が出た場合には、原因と考えられる家庭用品の使用は極力避け、症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また、日頃から自己の体質を認識し、製品の素材について注意を払うことが大切です。

 

(2)主な報告事例

【装飾品】
ピアスを金製品に変えたところ、2週間前に耳たぶのかゆみと皮膚の発赤が出現した。かゆみ、痛み、腫れがあり皮膚が荒れて一部がぼろぼろ落ちた。(30歳 女性)
→ 以前に金属で症状がでたことがある場合は、原因と思われる金属を素材とした製品を使うのをやめましょう。また、他の金属製品にも注意しましょう。

【ゴム・ビニール手袋】
手湿疹を繰り返していたが、約2年間は無治療で経過観察した。受診1カ月前にゴム手袋を使用して家事をしていたら、強いかゆみが手から全身に広がった。 (47歳 女性)
→ 手袋が体質に合わないときは、別の素材のものを使うよう心がけましょう。

【下着】
以前より、下着の圧迫部位にかゆみが出やすかった。お葬式のためストッキングを久しぶりに着用したところ、当日の夜からかゆみと発疹が出現した。(70歳 女性)
→ アレルギー体質の方は、以前症状が出た素材と別の素材の製品を使うよう心がけましょう。

【めがね】
毎日メガネを使用していたところ、鼻の上部と両耳の上から後部にかけて皮膚の発赤とかゆみが出現した。(57歳 女性)
→ 症状がみられたときには、原因と思われる製品を使うのをやめて、早めに病院に行きましょう

 【時計】
2、3年前から夏期は腕時計のあたる部位に皮膚の発赤、かゆみがみられ、患部がじゅくじゅくしている。(34歳 女性)
→ 症状が出たら原因と思われる製品を使うのをやめ、他の製品を使うときは金属以外のものにしましょう。



2.家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告

(1)報告の概要と考察

・最も多く報告された家庭用品などの種類は、タバコが147件(20.2%)と2015年度に引き続き第1位となりました。

・誤飲した年齢は、6〜11か月が最も多く213例(29.3%)、次いで12〜17か月が130例(17.9%)、3〜5歳が117例(16.1%)でした。

  ・入院・転院した事例が41例ありました。

・発生した時刻と場所は、それぞれ最も多いのが午後5〜9時304例(44.6%:発生時刻不明を除く報告事例数に対する割合)、居間373例でした。

 事故は家族が小児に注意を払っていても発生します。小児のいる家庭では、小児の目に付くところや手の届く範囲には、小児の誤飲しうる大きさのものは置かないようにしましょう。

 

(2)主な報告事例

【タバコ】
机上のタバコをおいたまま寝ていた。突然男児が泣いたため、見ると口の周りにタバコの葉がついていた。1度嘔吐し、かき出した。(9ヶ月 男児)
→ 子どもの手の届く場所にタバコを置かないようにし
ましょう。また、子どもが誤飲したときは、病院で医師に経過を観察するかなどの適切な判断をしてもらいましょう。

【医薬品】
女児は一人で2階の寝室にこもっていた。しばらくして、母が歯磨きしていた時に女児がずっとうがいをしていることに気づいた。母が気になり寝室を見に行くと母の薬の空が落ちていた。70cmの高さのタンスの上、箱の中に母の薬を保管していた。(3歳11ヶ月 女児)
→ 子どもがふつう、取り出せないと思われる場所にしまっていても誤飲が起こっているので、
家庭内にある薬はよく注意して保管・管理しましょう。

 【プラスチック製品】
袋菓子のビニールをかじっていた。(1歳 女児)
→ 病院で医師に経過を観察するかなどの適切な判断をしてもらいましょう。

【食品類】
自宅のリビングにて、お風呂から上がってきた男児が「お酒飲もう」と言って父の焼酎をコップに注いでいるのを母が目撃した。「飲んじゃダメよ」と声を掛けたが男児が咳き込んでいたため1〜2口飲んでしまった可能性があった。ダイニングテーブルの上に置いていた紙パックの焼酎、男児はキャップを開けてコップに入れていた。(4歳0ヶ月 男児)
病院で医師に経過を観察するかなどの適切な判断をしてもらいましょう。

【玩具】
左鼻にBB弾を詰めた。(1歳11ヶ月 女児)
→ 玩具を鼻や口などに持って行かないように子どもに教えるとともに、兄弟や友人で一緒に遊ぶ際には、対象年齢に満たない子どもが使うことも考えて玩具を与えましょう。また、
子どもが誤飲したときは、病院で医師に経過を観察するかなどの適切な判断をしてもらいましょう。



3.家庭用品等に係る吸入事故等に関する報告

(1)報告の概要と考察

  ・最も多く報告された家庭用品などの種類は、洗浄剤(住宅用・家具用)(2016年度より排水パイプ用洗浄剤を統合)で294件(23.4%)でした。

  ・年齢別では、9歳以下の子どもが最も多く445件(35.4%)でした。

  ・製品の形態では、スプレー式の製品が最も多く630件(50.2%)、次いで液体の製品が359件(28.6%)でした。

・発生した時間と場所は、それぞれ午後3時〜午後9時が総件数の約45%であり、家庭内が総件数の91.6%(1151件)でした。

使用方法や製品の特性について正確に把握していれば、事故の発生を防ぐことができた事例や、わずかな注意で防ぐことができた事例も多数ありました。製品の使用前には注意書きをよく読み、正しい使用方法を守りましょう。事故が発生した場合は、症状の有無に関わらず、公益財団法人 日本中毒情報センターに問い合わせて、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

 

(2)主な報告事例

【洗浄剤(住宅用・家具用)】
洗濯用液体洗剤のつめ替え用の袋を手でちぎって開封したところ、液が飛び散って眼に入った。(49歳 女性)
つめ替えするときは、パッケージの注意事項をよく読みましょう。眼に入った場合は、眼をよく洗いましょう。

【殺虫剤】
母親が寝室にワンプッシュ式蚊取りを6回噴射した。説明書をよく読まずに、何回も噴射したほうが効くと思った。寝室には子どももいた。舌に違和感を生じた。(10分後に出現、子どもは1時間後に改善)(37歳 女性、13歳 女性)
→ ワンプッシュ式蚊取り等を使うときは使用上の注意をよく読み、使用方法、用量を守って使いましょう。口に入ったときは、よく口の中を洗いましょう。

【漂白剤】
ウイルス感染予防のため、トイレの床などあちこちにポンプ式スプレータイプの塩素系漂白剤を噴射して拭き取った。室内の換気はしておらず、途中から強い臭いがして気分が悪くなった。(32歳 女性)
→ 使用上の注意をよく読み、使用方法、用量を守って使いましょう。

【芳香・消臭・脱臭剤】
階段の手すりの上に自動噴射型エアゾールを置いており、窓の外を見ようとして顔を近づけたところ、自動で噴射され、眼に入った。(55歳 女性)
→ 自動噴射するタイプの芳香剤などの置き場所には注意しましょう。眼に入ったときは、眼をよく洗いましょう。

PDF (別添)「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」(全体版)(PDF:1,024KB)