ウエストナイル熱/脳炎 – West Nile fever/Encephalitis(サマリー)

  1. 病原体の特徴
    • 起炎病原体:ウエストナイルウイルス
    • RNAウイルス
    • エンベロープ(+)
  2. 分類と潜伏期間
    • ウエストナイル熱、髄膜炎、脊髄炎、脳炎.80%は不顕性感染
    • 潜伏期 2-15日
  3. 感染経路
    • 蚊による媒介
      • 感染蚊による吸血
    • 輸血・臓器移植による感染
      • ヒトからヒトへの直接の感染はない.
    • その他の感染経路
      • ウイルスを濃縮した場合、それを吸入することで経鼻感染(経嗅神経感染)する可能性はある。
  4. 臨床症状
    • ウエストナイル熱
      • 発熱
      • 強い倦怠感
      • 頭痛、筋肉痛
    • ウエストナイル髄膜炎・脊髄炎
      • 筋力低下
      • 項部硬直
      • 弛緩性麻痺
      • 激しい頭痛
    • ウエストナイル脳炎
      • 運動失調
      • 意識低下痙攣、振戦
  5. 検体の種類および採取法
    • 血清・血漿
      • 末梢血から採血し、常法に従い血清あるいは血漿を分離する。
    • 髄液
      • 神経症状のある患者からは髄液を採取する。
      • 発症早期ではウイルス分離の可能性が高いのでただちに凍結保存する(-80℃)。
    • ウエストナイル熱
      • 血清または血漿
    • ウエストナイル髄膜炎・脊髄炎
      • 髄液
      • 血清または血漿
    • ウエストナイル脳炎
      • 髄液
      • 血清または血漿
  6. 検体の輸送法
    • 血液,髄液はカルチャーボトルで冷蔵状態または冷凍状態で輸送
    • 死亡鳥の脳、肝臓、脾臓、腎臓等の臓器の場合は、冷凍状態で輸送
  7.  微生物学的検査法
    • 病原体診断
      • 遺伝子検出:
        • リアルタイムRT-PCR(TaqMan法による)
      • ウイルス分離:
        • 蚊由来C6/36細胞、Vero細胞、BHK細胞等を用いる。
      • 血清抗体価検査
        • IgM捕捉ELISA法、中和抗体測定
      • 髄液中のIgM抗体検出は、中枢神経でのウイルス増殖を示唆するので重要である。
  8. 治療の要点
    • 脳浮腫対策
    • 抗痙攣薬の予防投与
    • 全身管理(補液,酸素吸入、昇圧剤など)
    • 初期治療
      • 入手可能であれば、抗ウエストナイルウイルス抗体価の高いγグロブリン製剤による受動免疫療法

2009年11月05日 14時27分 改訂