ウイルス性出血熱 – Virus hemorrhagic fever(サマリー)

  1. 病原体の特徴
    • エボラ(フィロ)、マールブルグ(フィロ)、クリミア・コンゴ(ブニヤ)、ラッサ(アレナ)すべて、1本鎖 RNAウイルス
  2. 分類と潜伏期間
    • エボラ出血熱
      • 3~21日
    • マールブルグ出血熱
      • 3~10日
    • クリミア・コンゴ出血
      • 5~13日
    • ラッサ熱
      • 7~21日
  3. 感染経路
    • 4疾患すべて、ヒト-ヒト間では主に接触感染によって伝播する。
  4. 臨床症状
    • 4疾患すべて、発熱や頭痛、咽頭痛などのインフルエンザ様症状で突発的に発症。
    • ラッサ熱は3~4日かけて比較的緩徐に病状が進行するが、他の3疾患は進行が早い。
    • 下痢や腹痛などの消化器症状もしばしば認められる。
    • エボラ出血熱は発症3日目頃、マールブルグ出血熱は5日目頃、クリミア・コンゴ出血熱は2~3日目頃、ラッサ熱は3~4日目以降に重症化してから、皮下の点状出血、躯幹部出血、粘膜・消化管出血が出現する。
    • エボラ出血熱の致死率は50~90%(平均70%)と極めて高い。マールブルグ出血熱の致死率は90%前後、クリミア・コンゴ出血熱の致死率は15~30%である。ラッサ熱はリバビリンで治療された場合の死亡率は全体の1%程度である。
  5. 検体の種類および採取法
    • 末梢血
    • 血清
    • 咽頭ぬぐい液
    • 尿
    • 剖検材料など
  6. 検体の輸送法
    • 各検体とも、基本型三重包装容器を用いて輸送する。
  7. 微生物学的検査法
    • PCR法による遺伝子迅速診断
    • 抗原、抗体の検出(ELISA法)
    • ウイルス分離培養(血液、ぬぐい液、尿)
  8. 治療の要点
    • エボラ出血熱
      • 特異的な抗ウイルス薬はなく、対症療法のみである。
    • マールブルグ出血熱
      • 特異的な抗ウイルス薬はなく、対症療法のみである。
    • クリミア・コンゴ出血熱
      • リバビリンが奏功する可能性が示唆されているが、有効性は証明されてはいない。
    • ラッサ熱
      • リバビリンが著効することが知られており、発症後6日以内にできるだけ早く投与開始する。

2009年11月09日 19時03分 改訂