ベネズエラウマ脳炎(詳細)

病原体の特徴

ベネズエラウマ脳炎は、トガウイルス科アルファウイルス属に属するベネズエラウマ脳炎ウイルスにより引き起こされる疾患である。ベネズエラやコロンビアなどの中南米で流行がみられる。北米でもフロリダやテキサスで分布している。自然界では、イエカとげっ歯類の間で感染環が維持されており、ウイルスを保有している蚊にヒトが刺咬されることでヒトに感染する。実験室レベルではあるが、エアロゾル噴霧による感染も報告されており、生物兵器としての可能性も示唆されている。

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主な臨床像

ヒトが感染した場合、2~5日間の潜伏期間を経て発症する。ほとんどは発熱・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザ様症状で治まるが、この中で約1~3%に脳炎を発症する。脳炎を発症した場合には、痙攣や昏睡などの症状を来たし、10~20%が死亡する。脳炎の発症率や死亡率は、いずれも小児の方が成人と比較して高い。

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臨床検査所見

特異的な所見はない。

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確定診断

血液あるいは髄液中のPCR法によるウイルス遺伝子の検出、あるいはIgMの検出、またはペア血清による中和抗体の上昇を確認する。

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治療

特異的な治療法はなく、対症療法が中心となる。

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予防(ワクチン)

流行地では、蚊に咬まれないようにする。ウマ用のワクチンは開発されているが、ヒト用のワクチンは実用化されておらず一般的ではない。

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バイオハザード対策

患者の隔離

標準予防策を徹底する。ベネズエラウマ脳炎ウイルスの取り扱いは、P3実験施設BSL3の取り扱い基準に従って実施することになっている。(国立感染症研究所規定より)

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参考文献

    1. 東京都福祉保健局、ベネズエラウマ脳炎、東京都新たな感染症対策委員会 監修、東京都感染症マニュアル、p282-3、2009
    2. 大松 勉 高崎智彦 倉根一郎、感染症法改正で新たに追加された急性脳炎をおこす4類感染症、IASR Vol. 28 p. 350-351: 2007年12月号、http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/334/dj3347.html
    3. 感染症診療スタンダードマニュアル 羊土社 P.219-220
    4. CDC ,Information on Arboviral encephalitides, http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/arbor/arbdet.htm
    5. 杉浦 健夫. “ウマ脳炎” 木村 哲,喜田 宏 編集, 人畜共通感染症 2004, 医薬ジャーナル,P71-2,
    6. 永田 典代, 佐多 徹太郎. “ウマ脳炎” 神山 恒夫, 山田 章雄, 動物由来感染症 2009, 真興交易医書出版部,P83-7.
    7. 国立感染症研究所、国立感染症研究所病原体等安全管理規定、http://www.nih.go.jp/niid/Biosafety/kanrikitei3/kanrikitei3_0904.pdf、2009年4月
    8. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項および第14条第2項に基づく届け出の基準について、厚生労働省健康局結核感染症課長通知、2006年3月

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2012年07月15日 13時57分 改訂