平成29年度ハンセン病問題対策協議会における確認事項(平成30年3月)

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平成29年度ハンセン病問題対策協議会における確認事項

厚生労働省とハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会、同全国弁護団連絡会及び全国ハンセン病療養所入所者協議会(以下これらを総称して「統一交渉団」という。) とは、平成13年7月23日付「基本合意書」、同12月25日付「ハンセン病問題対策協議会における確認事項」及び平成14年1月28日付「基本合意書」に基づき、平成29年6月22日にハンセン病問題対策協議会を開催し、以下のとおり合意したことを確認した。なお、この確認事項に記載のない事項については、この協議会の議事録による。

1 追悼式出席者(挨拶を行う者以外を含む。)に対する旅費支給について、引き続きその可否及び問題点について検討するために協議する。

2

(1) 国立ハンセン病療養所における医師の待遇については、抜本的施策が必要であるとの指摘があることを踏まえ、人事院に対して、独立行政法人国立病院機構等と比較して格差があることの改善を求めつつ、引き続き医師の確保に最大限努める。この問題に関し、施策検討の進捗状況等について協議するための作業部会を開催する。

(2) 国立ハンセン病療養所の定員に関して、平成26年8月15日付け合意書に基づき、引き続き良好で平穏な療養体制の充実に取り組む。平成31年度以降の定員及び介護等に関する人員確保について協議するための作業部会を開催する。

(3) 国立ハンセン病療養所の賃金職員及び期間業務職員については定員状況を踏まえつつ引き続きその定員化に努めるとともに、定員内の職員の退職後の補充及び賃金職員等の定員化後の期間業務職員の補充について必要な人員を確保できるよう努める。

(4) 介護以外の定員内の技能・労務職員の退職後の補充については、再任用制度の積極的な推進等のほか必要に応じて期間業務職員の採用により必要な職員を確保する。

(5) 大島青松園における船舶(官用船及び民間委託船)に関し、その重要性を踏まえ、引き続き安全かつ安定的な運航体制の確保に取り組む。運航関連施設の早期の改善整備等に向けて関連自治体等との連携協力に積極的に取り組む。

(6) 入所者の臨床上・生活上の倫理・人権問題等に関する委員会的組織に関し、厚生労働本省・療養所施設長・統一交渉団による意見交換のための会議を開催する。

3

(1)  地域において、足底穿孔症、知覚麻痺等のハンセン病特有の後遺症に応じた適切な医療及び介護が行われるためには、各地方自治体及び地域医療機関に対する普及啓発が重要であること及び普及啓発の在り方の検討が必要であることを確認し、知見の収集、各地退所者の会における実情把握等を行うとともに、各地方自治体及び地域医療機関に対する普及啓発に努める。

(2)  社会内で生活するハンセン病回復者と、地域医療機関及び福祉サービスとを繋ぐ、「寄り添い型サポート」の必要性及び重要性を確認し、退所者による「社会啓発推進・促進事業」(ピアサポーター)の更なる円滑な運用と拡充に努めるとともに、ソーシャルワーカーの適切な配置等について作業部会で協議する。

(3)  非入所者によって扶養されていた遺族の非入所者の死亡後の生活の安定等を図るための経済的支援の在り方を検討するため、再調査の必要性及び方法等を含め、引き続き作業部会で協議する。

4

(1)  厚生労働省は、平成27年度からの歴史的建造物等の緊急補修工事(3年間)対象である6点の工事遅延について、陳謝するとともに、平成29年度内の円滑な施行を進める。また、上記6点以外についても、今後統一交渉団と相談しながら、平成30年度以降の補修対象物の選定及び予算の確保に努める。

(2)  社会交流会館の学芸員は、平成29年度予算で7名増員分の予算を確保したが、更なる増員については、現在の状況等に関する要望を十分踏まえながら対応する。また、社会交流会館の運営費については、平成29年度予算で1園あたり約100万円を確保したが、平成29年度の状況から予算拡充が必要とされる場合には、平成30年度の予算においてできるだけ対応する。

(3)  国立ハンセン病資料館は、普及啓発の拠点であり、公募によって運営委託先が交替しても一貫した方針の下で普及啓発を行うことが重要であるため、年度計画の策定に当たっては、厚生労働省が年度開始前に次年度の取組方針を提示することとする。また、同方針の作成に当たっては、当事者の意向を最重要とし、本協議会の確認事項の内容を踏まえ、現場の状況をよく理解した上で実施する。
また、社会交流会館も今後の普及啓発を充実していく中で非常に重要であり、ハンセン病資料館等運営企画検討会の「ハンセン病資料館等」に含まれるものとして国立ハンセン病資料館と一緒に充実させていくために、引き続き統一交渉団と相談していく。

(4)  旧菊池医療刑務支所については、厚生労働副大臣から法務副大臣へ保存に関する連携要請を行い、事務方が継続的に協議していくことについて合意を得ている。今後の刑務所建物の撤去に関しては、跡地にハンセン病患者だけの刑務所が設置されていたことを残すモニュメントないし石碑の建立、及び、建物一部の菊地恵楓園内への移設と啓発利用につき、厚労省と法務省で早急に相談の場を作り、自治会を含めて両省で協議・協力して、普及啓発にしっかりと取り組んでいく。

5  療養所の将来構想を現実的なものとするためにも、療養所の永続化は重要であり、その内容及び整備すべき事項について検討するため、引き続き意見交換会を行う。

 

 平成30年3月9日

統一交渉団
代表 志村 康

ハンセン病問題対策協議会座長
厚生労働副大臣 高木 美智代