第7回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=9wqdQvr8S0hLYuRlY

照会先
医薬・生活衛生局総務課国際薬事
規制室室長:安田 尚之(4223)
専門官:高梨 文人(4224)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)2431

報道関係者各位

第7回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました

~新たに2つのICHガイドライン案を基本的に合意~

 2018年11月10~15日にシャーロット(米国)で、第7回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催され、主に以下の進捗がありました。
1.ICHガイドラインの作成に進捗:
・M10:生体試料中薬物濃度分析法バリデーション
・E19:安全性データの収集の最適化
の2ガイドライン案を基本的に合意(最終確認結果を踏まえた上で、来年2月頃までに案の正式合意を目指し、その後パブリックコメント手続を予定) 等
2.ICH総会副議長、管理委員会議長・副議長の改選が行われ、日本が管理委員会副議長のポストを引き続き確保
3.ICHに併せて開催されたIPRP会合で、再生医療等製品の規制調和活動を推進

次回会合は、2019年6月1~6日にアムステルダム(オランダ)で開催予定です。
以下のページでは、本会合の進捗を詳細に説明します。

(参考)
1) ICH(International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use, 医薬品規制調和国際会議)は、1990年に創設された日米EU医薬品規制調和国際会議を基礎として、2015年にスイス法に基づく非営利法人として設立された組織です。医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に係る技術的なガイドラインを作成し、各国の規制の調和等に貢献しています。本組織の詳細については、ICH法人の設置に関する2015年10月26日付け厚生労働省プレスリリースをご覧下さい。
2) IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme, 国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、EU、カナダ、スイス等約20か国の規制当局により構成され、ICHでは取り扱わない規制当局間の協力や規制調和、規制情報の交換を実施するための組織です。年2回、ICHに併せて対面会合を開催しています。


1.ICHガイドラインの作成等に関する点

 (1)ガイドライン案の基本合意
以下のガイドライン案が今回会合で基本的に合意されました。最終確認結果を踏まえた上で、来年2月頃までに案の正式合意(ステップ2)に到達することを目指します。その後各国で、パブリックコメント手続を実施する予定です。
・M10ガイドライン:生体試料中薬物濃度分析法バリデーション
(内容)クロマトグラフィー及びリガンド結合アッセイを用いた生体試料中薬物濃度分析法のバリデーションならびに実試料分析に関する標準的要件を示すもの。

・E19ガイドライン:安全性データの収集の最適化
(内容)一部の開発後期の臨床試験や製造販売後臨床試験等、薬剤の安全性プロファイルが十分に理解されている場合に、選択的な安全性データの収集を行うことで、医薬品の安全性を確保しつつ臨床試験実施の効率性を高めるもの。

 (2)専門家作業部会の設置
S7B及びE14ガイドラインに関する既存の検討グループをもとに作業部会を設置し、Q&A文書の作成を開始することに合意しました。
・S7B/E14 Q&As:ヒト用医薬品の心室再分極遅延(QT間隔延長)の潜在的可能性に関する非臨床的評価(S7B)/非抗不整脈薬におけるQT/QTc間隔の延長と催不整脈作用の潜在的可能性に関する臨床的評価(E14)
(内容)医薬品の催不整脈性リスク評価のための非臨床試験/臨床試験において、in silico試験法、iPS心筋細胞の試験法等を用いた新しいアプローチの利用可能性を検討する。

また、前回会合でトピック採択をしたものの開始時期が未定であった以下の作業部会の設置を合意しました。(来年11月会合で初回の対面会合開催を予定)
・M12ガイドライン:薬物間相互作用試験
・E20ガイドライン:アダプティブ臨床試験

 (3)戦略的議論とリフレクションペーパー
今後のICHガイドライン作成を戦略的に取り組んでいくための計画を提示するリフレクションペーパーとして、以下2文書が基本的に支持されました。今後、検討グループにおいて技術的な内容を議論予定です。
・ジェネリック医薬品(FDA提案)
(内容)ジェネリック医薬品の技術的事項に関する国際調和を目指すために必要な議論を進めるもの。(文書は合意し、関連文書を整備後に公表予定。)

・薬剤疫学(厚労省/PMDA提案)
(内容)市販後安全対策に活用される薬剤疫学に関し、リアルワールドデータのさらなる活用の支援となることを目指して、用語・報告フォーマット・一般指針等の調和を目指すもの。

2.ICHの組織・運営に関する点

 (1)総会、管理委員会の議長・副議長の改選
ICHの主要な意思決定は、全団体が参加する総会と、主要メンバーにより総会の議論の準備やICH法人の運営を行う管理委員会で行われています。
今回会合では、前任者の退任や任期満了に伴う総会副議長、管理委員会の議長・副議長の改選が行われ、下表のとおり選出されました。

表:ICH総会、管理委員会の議長・副議長の構成(下線は改選後)

議長 副議長 選出手続
総会 レニータ・リンドストーム(EC – DG SANTE) ペトラ・ドアー(スイスメディック) 投票により選出、任期2年(2019年秋まで)
管理委員会 テレサ・ムーリン(FDA – CDER 中島宣雅(PMDA審議役(国際担当)) 投票により選出、任期1年(2019年秋まで)

 (2)ICHガイドラインの実施拡大のための取組み
ICHでは、参加するメンバー・オブザーバーなどの規制当局がより多くのICHガイドラインを適切に実施することを支援するための取り組みを行っています。
今回会合では、以下の2つの活動への取り組みを強化することに合意しました。
・実施状況の調査:規制当局が適切にICHガイドラインを国内規制に取り込み運用しているか実態を把握するため、メンバー及び一部オブザーバー規制当局と主要ガイドラインを対象に、予備的な調査を実施(2019年前半に予定)
・トレーニングへの支援:アカデミアや非営利団体が規制当局に対面またはオンラインで提供する、ICHガイドラインの内容及び運用の理解のための研修への支援(研修資材の作成・提供やICHの認定付与)

 (3)新規オブザーバーの参加
新規オブザーバーとしてイラン国家規制当局(NRA)の参加が承認されました。
これにより、ICHメンバーは16団体、オブザーバーは28団体になりました。(参考に一覧を掲載)

 

3.IPRPで再生医療等製品の規制調和を推進
IPRP(国際薬事規制当局プログラム)では、活動の一つとして再生医療等製品の規制調和を推進しています。
今回会合では、「細胞治療製品を用いた臨床試験後の被験者のフォローアップの特性と期間に関する基本的原則」のリフレクションペーパーを合意しました。本文書は今後、IPRPウェブサイトで公表される予定です。
 ※(英題)General Principles to Address the Nature and Duration of Follow-up for Subjects of Clinical Trials Using Cell Therapy Products
(概要)被験者の状態、適応疾患、製品のタイプ、製造工程、加工や分化の度合い、適用経路や投与期間等を考慮してフォローアップ期間を設定すること

(参考)ICH参加団体一覧(2018年11月時点(下線:今回承認))
【メンバー(16団体)】 ※太字で標記した団体は管理委員会メンバー(規制当局8、産業界5)
○ 創設規制当局メンバー (3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA
○ 創設産業界メンバー (3):日本製薬工業協会(JPMA)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA
○ 常任規制当局メンバー (2):ヘルスカナダ、スイスメディック
○ 規制当局メンバー (5): ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)、シンガポール保健科学庁(HSA)、韓国食品医薬品安全処(MFDS、台湾食品薬物管理署(TFDA)
○ 産業界メンバー (3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA、世界セルフメディケーション協会(WSMI)

【オブザーバー(28団体)】
○ 常任オブザーバー (2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
○ 規制当局オブザーバー (13):インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA、マレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展省(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門科学センター(SCDMTE)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)、トルコ医薬品医療機器庁(TITCK)
○ 地域調和イニシアティブ (6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体(EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)
○ 業界団体オブザーバー (1):医薬品原薬委員会(APIC)
○ 医薬品関連国際団体 (6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)