[ 詳細報告 ]
分野名:ウィルス性感染症
衛研名:島根県保健環境科学研究所
報告者:保健科学部 熱田 純子
事例終息:事例終息
事例発生日:2017/04/03
事例終息日:2017/05
発生地域:島根県
発生規模:・患者調査:患者2名 ・接触者調査:飛行機同乗者(乗客、乗務員)167名、(25自治体に健康観察依頼)、医療機関13名 ・リスク分類(高、低)した接触者52名 ・合計232名
患者被害報告数:2名
死亡者数:0名
原因物質:麻しんウイルス
キーワード:麻しん、飛行機
概要:
県外で発熱症状を呈し、平成29年4月飛行機を利用して島根県に移動した患者(50歳代、男性)が、空港到着後病院に受診し麻しん患者と診断された。
飛行機の同乗者167名並びに受診先医療機関接触者13名に聞き取り調査実施、その後、初発患者と同じ県外事業所に勤務していた1名(20歳代、男性)が帰県後発症、接触者調査を実施した。
患者はこの2名にとどまり、新たな患者発生はなかった。当県では、8年ぶりの患者発生であった。
背景:
地研の対応:
遺伝子検査、麻しん対策会議への参加
行政の対応:
1. 管轄保健所
・接触者リスク分類に応じた対応方針の作成・決定、関係機関と連携した対策
・情報共有並びに対応方針決定のため、関係者を参集させ「麻しん対策会議」を開催 (2回開催)
参集メンンバー:管轄保健所、県麻しんアドバイザー(医師)、本庁担当課、県内関係保健所、保健環境科学研究所、関係市
・患者が勤務する事業所に感染拡大防止に向けての対応指示、事業者は理解を示し、速やかかつ的確に対応
2. 本庁担当課(時系列)
・部内報告、方針決定
・報道発表
・各保健所に情報提供
・県医師会、病院等医療機関、県内各市町村に情報提供
・麻しん対策会議への出席(管轄保健所主催)
・厚生労働省に報告
・知事報告
・患者が勤務していた県外事業所を管轄する自治体と情報共有、対応協議
・相談窓口の設置(本庁、各保健所)
・航空会社に乗客名簿提供依頼及び入手
・飛行機利用者が帰省した県外自治体に情報提供、健康観察を依頼
・庁内幹部会(部局長級)、健康福祉部課長会に報告
・議会報告(常任委員会)
3. 各保健所の対応
・飛行機利用者等の接触者調査、健康観察
4. 保健環境科学研究所
・検査対応
・麻しん対策会議への参加
原因究明:
県外での感染であり、当該自治体に情報提供
診断:
遺伝子検査
地研間の連携:
国及び国研等との連携:
・本庁担当課から県外事業所を管轄する自治体及び厚生労働省に発生報告、対応協議
事例の教訓・反省:
管轄保健所から
・対応方針の作成、決定はあくまで保健所の責務
・リスク分析、対応方針作成に困ったときは、躊躇せず、遠慮せず、本庁・保健環境科学研究所に相談すること
現在の状況:
今後の課題:
なし
問題点:
なし
関連資料:
・麻しんに関する特定感染症予防指針 平成19年12月28日 厚生労働省
・麻疹発生時対応ガイドライン 2016年6月3日 国立感染症研究所感染症疫学センター
・島根県における麻しんのまん延予防対策のための指針 平成19年3月30日 島根県
・島根県麻しん対応マニュアル 平成26年2月26日 島根県