【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.392(2019年08月02日)
厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州及びイツリ州)及びウガンダ共和国(カセセ県)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。
2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2019年7月30日までに、北キブ州とイツリ州の両州において、1,813名の死亡例を含む、2,701例の患者(確定2,607例、疑い94例)が報告されています。2018年8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、2019年7月30日までに180,558名がワクチンの接種を受けました。
2019年6月11日(現地時間)、WHO及びウガンダ共和国保健省は、同国西部のカセセ県において、エボラ出血熱患者が確認されたことを発表しました。同患者は、コンゴ民主共和国から帰国した家族内の発症例で、2019年6月12日までに2名の死亡例を含む、7例の患者(確定3例、疑い4例)が報告されています。このうち、生存者5名は、2019年6月13日にコンゴ民主共和国内の病院に移送されたため、ウガンダ国内の感染確定者はゼロとなっています。その後も、同国内での新たな感染症例や死亡は報告されていません。
2019年7月14日(現地時間)、北キブ州の州都ゴマにおいて、エボラ出血熱患者が確認されました。2019年7月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催され、「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」に該当するとの見解が示されています。
今回の発生地域では、2019年4月18日の武装勢力による病院襲撃により、WHO職員に死傷者が出るなど、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。