参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=k2w6tZ-CAE1Ka7ABY
令和元年10月24日
【照会先】 子ども家庭局母子保健課 知念、千先、猿渡 (内線4980) (代表番号) 03(5253)1111 (直通電話) 03(3595)2544 |
報道関係者各位
11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です
~睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう~
乳幼児突然死症候群(SIDS)は12月以降の冬期に発症しやすい傾向があることから、厚生労働省は、毎年11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。(※対策強化月間は平成11年度から実施しています。)
今年度の対策強化月間では、厚生労働省をはじめ、関係行政機関、関係団体などにおいて、さまざまな普及啓発活動を行うなど、SIDSの予防に関する取組等の推進を図ります。
<主な取組>
・SIDSの発症リスクを低くするための3つのポイントについて、ポスターやリーフレットの活用による全国的な啓発活動を実施。
■1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせる
■できるだけ母乳で育てる
■保護者等はたばこをやめる
・「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)」(平成24年10月公表)の周知・普及。(別紙1)
・健やか親子 21 推進協議会参加団体(別紙2)に対して発症率を低くするポイントなどの周知や普及について協力を依頼。
・関係行政機関、関係団体等を通じて、医療機関等に対し「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)」の内容を参考とし、乳幼児の死体検案(死体について死亡の事実を医学的に確認すること)を行う際は、SIDSと虐待または窒息事故とを鑑別するために的確な対応を行うことと、必要に応じて保護者に対し解剖を受けるよう勧めることを依頼。
【期日】令和 元年 11 月1日(金)から 11 月 30 日(土)まで
【主唱】厚生労働省
【SIDSとは】
■SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る、原因の分からない病気で、 窒息などの事故とは異なります。
■平成30年には60名(概数)の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています。
【乳幼児突然死症候群(SIDS)発症リスクを低くするための3つのポイントとは】
SIDS の予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、 SIDS の発症率が低くなるというデータがあります。
■1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
SIDSは、うつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、寝かせる時にうつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発症率が高いということが研究者の調査から分かっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。この取組は、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。
■できるだけ母乳で育てましょう
母乳育児が赤ちゃんにとっていろいろな点で良いことはよく知られています。母乳で育てられている赤ちゃんの方がSIDSの発症率が低いということが研究者の調査から分かっています。できるだけ母乳育児にトライしましょう。
■たばこをやめましょう
たばこはSIDS発症の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
【乳幼児突然死症候群(SIDS)について、よくあるご質問】
■質問1:赤ちゃんが睡眠中に寝返りをして、うつぶせ寝の姿勢になった場合は、赤ちゃんを再びあおむけ寝の姿勢に戻す必要がありますか?
●回答1:寝返りは、赤ちゃんの成長にとって重要で自然な発達過程です。米国国立衛生研究所(および米国小児科学会)によると、赤ちゃんがあおむけからうつぶせと、うつぶせからあおむけのどちら側からでも自分で寝返りができるようになったら、あおむけ寝の姿勢に戻す必要はないとされています。SIDSのリスクを減らすために重要なのは、眠り始めるときにあおむけ寝の姿勢にしてあげることと、寝返りをした時に備えて赤ちゃんの周囲に柔らかな寝具を置かないようにすることです。
■質問2:赤ちゃんをあおむけ寝の姿勢にした場合、赤ちゃんは唾液や吐乳などによって窒息しませんか?
●回答2:健康な赤ちゃんであれば、通常、反射により飲み込んだり、咳(せき)をして吐き出したりします。米国国立衛生研究所によると、赤ちゃんはあおむけ寝の姿勢の方が、飲み込んだり吐き出したりしやすいのではないかとも考えられています。ただし、病気などで医療機関を受診中の赤ちゃんについては、医師の指示に従ってください。
■質問3:赤ちゃんの睡眠について、SIDSの他にも気をつけることはありますか?
●回答3:睡眠中の窒息事故にも注意が必要です。注意ポイントとしては、大人用ベッドではなく、できるだけベビーベッドに寝かせ、転落しないように柵は常に上げ、赤ちゃんの頭や身体がはさまれないよう、周囲の隙間をなくしましょう。また、鼻や口がふさがれないよう敷布団・マットレス・枕は赤ちゃん用の固めのものを、掛け布団は払いのけられる軽いものを使い、よだれ掛けなど首に巻き付くものは置かないようにしましょう。
【参考資料】
(別紙1)乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)
(別紙2)健やか親子21推進協議会参加団体(PDF:119KB)
(別紙3)普及啓発用ポスター(発症率を低くするポイント)(PDF:338KB)
(別紙4)普及啓発用リーフレット(発症率を低くするポイント)(PDF:348KB)