医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=SbA4K5NnEl4Gv8jbY

【照会先】
医薬・生活衛生局
総務課国際薬事規制室
(担当・内線)
室長  安田 尚之(4223)
専門官 田辺 江業(4232)
(代表電話)  03 (5253) 1111
(直通電話)  03 (3595) 2431

医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました

~4ガイドラインが新たな段階に進みました~

 令和2年 11 月 5 日及び16 日から18 日まで、 医薬品規制調和国際会議(ICH)管理委員会・総会 が 開催されました (メンバー・オブザーバーは参考1参照 )。 当初、 ギリシャ ・ アテネでの対面会合を予定していましたが、 今般の新型コロナウイルス感染症への対応を考慮し、 バーチャルでの開催となりました。本会合では、主に以下の成果がありました。
なお、次回 ICH 総会は当初は韓国・仁川で令和3 年6月2日に対面会合で開催予定でしたが 、 新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、バーチャルでの開催が決まりました 。

1.既存の作業部会の成果
既存の作業部会における、本会合までのガイドライン作成の主な進捗 (注 1 )として、次のとおり ICH 総会で報告されました。
(注1) ICH のガイドライン作成が開始され、 ICH 規制当局側メンバーの各国・地域で実装されるまでの手続きは Step1 から Step5 の各段階を経て行われます。 ICH において、各ステップのうち、 Step 2及び Step4 は 重要な マイルストーン と認識されています。

(1)ステップ4 到達 (注 2)
・E2B(R3)関係: 「E2B (R3) メッセージにおける個別症例安全性報告の剤形及び投与経路に対する EDQM の用語の使用 」の改正 (バージョン 1. 1)
(注 2 )ステップ4: ICH 総会 規制当局側メンバー で ガイドラインとして 採択されたもの。今後、ICH 規制当局側 メンバーの各国・地域で必要な国内手続きを経て、薬事規制の中に取り込まれる予定。

(2)ステップ2到達(注3)
・Q3D(R2):「医薬品の金属不純物」の改正
・E14/S7B Q&A:「QT/QTc 間隔の延長と催不整脈作用の潜在的可能性に関する臨床的評価」に関するQ&A
・M7(R2):「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA 反応性(変異原性)不純物の評価及び管理」に関するQ&A
(注3)ステップ2:ICH 総会規制当局側メンバーでガイドライン案の合意に達したもの。今後、ICH 規制当局側メンバーの各国・地域でパブリックコメントが実施される予定。

2. ICH 管理委員会議長・副議長選挙
任期満了に伴いICH 管理委員会の議長・副議長の改選が行われ、議長にTheresa Mullin(米国・FDA)が、副議長に中島宣雅(日本・MHLW/PMDA)が選出されました(いずれも再選)。なお、中島氏はPMDA 執行役員です。

3.2021 年予算及び2025 年までの予算採択
今回、ICH の2021 年予算の他、メンバーの年会費・MedDRA 購読費が確定されました。また、2025 年までの5か年予算見込みについても承認され、今後はこの資金計画に基づいて活動がされていく予定です。

4.国際薬事規制当局プログラム(IPRP)について
ICH 総会に併せて、11 月19 日及び20 日にIPRP 会合(参考2参照)がバーチャルで開催され、リライアンスの推進・作業部会の活動・各国の規制状況等について意見交換が行われました。
なお、IPRP 会合の議長は、令和元年5月より(令和2年5月に任期延長)PMDA 国際部長の佐藤淳子が務めています。

(参考1)
ICH 参加団体一覧( 令和 2 年 1 1 月 20 日 時点)
※・・・管理委員会メンバー
【メンバー(17 団体)】
○創設規制当局メンバー (3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構 (MHLW/PMDA)(※) 、米国食品医薬品局(FDA)(※)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA)(※)
○創設産業界メンバー(3):日本製薬工業協会(JPMA)(※) 、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(※) 、欧州製薬団体連合会(EFPIA)(※)
○常任規制当局メンバー(2):ヘルスカナダ(※) 、スイスメディック(※)
○規制当局メンバー(6 ):ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)(※) 、中国国家医薬品監督管理局(NMPA)(※) 、シンガポール保健科学庁(HSA)(※) 、韓国食品医薬品安全処(MFDS)(※)、台湾食品薬物管理署(TFDA) 、トルコ医薬品医療機器庁(TITCK)
○産業界メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)(※)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)(※) 、世界セルフケア連盟 (GSCF)

【オブザーバー(32 団体)】
○常任オブザーバー(2):世界保健機関 (WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
○規制当局オブザーバー(17): アルゼンチン医薬品食品医療技術管理局(ANMAT)、 インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関 (CECMED )、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、イスラエル保健省 医薬品・監督センター(CPED)、 コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ヨルダン食品医薬品局(JFDA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA)、マレーシア国家医薬品規制庁 (NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展 監督局(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門 科学センター(SCDMTE)、 サウジアラビア食品医薬品局(SFDA)、 オーストラリア医療製品管理局(TGA )、 レバノン公衆保健省(MOPH)
○地域調和イニシアティブ(6):東南アジア諸国連合 (ASEAN)、アジア太平洋経済協力 (APEC)、東アフリカ共同体(EAC)、湾岸協力理事会 (GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体 (SADC)
〇業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会 (APIC)
○医薬品関連国際団体(6):ビル メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門 (EDQM)、国際医薬品添加物機関 (IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)

(参考2)
IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme 、 国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、 EU 、カナダ、スイス等 30 か国 ・地域 の規制当局が参加し た国際会議であり 、規制当局間の協力や、規制情報に関する交換等を実施しています。年2回、 ICH に併せて会合を開催します。

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