【管内情報】 【保健所健康危機管理事例】小学校におけるノロウイルスによる感染症集団発生(大阪府)

〔作成者〕大阪市保健所
〔発生年月日〕2004/4/28
〔概要〕平成16年4月28日、クリニックから同じ小学校(児童817名)に通う児童複数名を食中毒様症状で診察した旨届出があり、小学校へ聞き取りを行うと4~6年生に欠席が集中していることが判明。4月28日食中毒と感染症の両面から欠席した児童の発生状況等について調査するとともに、児童の便検査、当該校給食場拭き取り検査及び給食の保存食の検査等を実施したところ、4月27・28日に児童163名が食中毒様症状を呈していることを確認。4月26・27日校内で嘔吐した4~6年生児童がいることを確認。4月30日児童21名の検便からノロウイルスが検出され、本件はノロウイルスによる集団感染と断定、感染経路究明のため全学年の個人調査を行い、同時に家庭での二次感染防止を指導。最終的に児童268名が4月18日~4月30日にかけ嘔吐腹痛下痢発熱等の症状を呈していたことが判明。給食保存食・拭き取り・調理人検便はノロウイルス陰性、最も原因食品と疑われる4月26日の給食を喫食せず発症した児童が5名いたこと、調理工程に要因がないのに発症者が4~6年生に偏っていること、1~3年生と4~6年生の校舎が別棟であること、以上から給食を原因食品と断定するに至らなかった。当該校の要請により、当該校全館のミスト噴霧器による塩素系消毒薬による消毒実施。当該校による給食場の塩素系消毒薬による消毒実施。5月6日学校再開。5月11日プレス発表。5月14日欠席状況の平穏化確認、本件終息とする。
〔原因/端緒〕ノロウイルス
〔患者/死者/負傷者〕疑い患者268名
〔症状/被害状況〕嘔吐 腹痛 下痢 発熱