参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=k2vD_3QJQhdVI5oBY
【照会先】
医薬・生活衛生局 国際薬事規制室
室長: 安田 尚之 (4223)
専門官: 田辺 江業 (4232)
(代表電話) 03 (5253) 1111
(直通電話) 03 (3595) 2431
医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました
~4ガイドラインが新たな段階に進みました~
令和3年5月25日及び6月1日から3日まで、医薬品規制調和国際会議(ICH)管理委員会・総会が開催されました(メンバー・オブザーバーは参考1参照)。当初、韓国・仁川での対面会合を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症への対応を考慮し、バーチャルでの開催となりました。本会合では、主に以下の成果がありました。
なお、次回ICH総会は令和3年11月17・18日に開催されます。新型コロナウイルス感染症の状況から、既にバーチャルでの開催が決まっています。
1.既存の作業部会の成果
既存の作業部会における、本会合までのガイドライン作成の主な進捗(注1)として、次のとおりICH総会で報告されました。
(注1)ICHのガイドライン作成が開始され、ICH規制当局側メンバーの各国・地域で実装されるまでの手続きはステップ1からステップ5の各段階を経て行われます。
(1)ステップ4到達(注2)
・Q3C(R8):「医薬品の残留溶媒ガイドライン」の改正
・M8 eCTD v4.0 Question and Answer (Q&A) Document v.1.5:「「電子化コモン・テクニカル・ドキュメント(eCTD)による承認申請について」に関する質疑応答集(Q&A)について」の改正、Specification for Submission Format for eCTD v.1.3:「ICH 電子化コモン・テクニカル・ドキュメント(eCTD) に含める電子ファイル仕様」の改正、及び eCTD v4.0 Implementation Package v.1.4:「eCTD v4.0 国内実装パッケージ」の改正
(注2)ステップ4:ICH総会規制当局側メンバーでガイドラインとして採択されたもの。今後、ICH規制当局側メンバーの各国・地域で必要な国内手続きを経て、薬事規制の中に取り込まれる予定。
(2)ステップ2到達(注3)
・S1B(R1):「医薬品のがん原性を検出するための試験に関するガイダンス」の補遺
・S12:遺伝子治療製品の非臨床生体内分布試験
(注3)ステップ2:ICH総会規制当局側メンバーでガイドライン案の合意に達したもの。今後、ICH規制当局側メンバーの各国・地域でパブリックコメントが実施される予定。
2.新規トピックの採択
今後、ガイドラインの作成を行う新規トピックとして、次のとおりICH総会で採択されました。
・「安定性」(Q1)シリーズ及び関係する「生物薬品(バイオテクノロジー応用製品/生物起源由来製品)の安定性試験」(Q5C)の更新
・「新医薬品の規格及び試験方法の設定」(Q6A)及び「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の規格及び試験方法の設定」(Q6B)の更新
・安全性評価においてRWDを活用する薬剤疫学試験の計画・デザインに関する一般原則(注4)
(注4):厚労省・PMDAより提案したトピック
3. ICH管理委員会選挙
ICH管理委員会は創始メンバー及び常任メンバー以外は3年ごとに改選が行われることになっています。今般、改選のための選挙が行われ、次のとおり選定されました。
規制当局:ANVISA(ブラジル)、MFDS(韓国)、NMPA(中国)
産業界 :BIO(バイオテクノロジーイノベーション協会)、IGBA(国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会)
4.新規メンバー及びオブザーバー
今回、新たに、サウジ食品医薬品庁(SFDA)がICHのメンバーとなりました。また、アゼルバイジャン保健省分析センター(AEC)及び英国医薬品医療製品規制庁がオブザーバーとなりました。
これで、ICHはメンバー18団体、オブザーバー33団体となりました(参考1参照)。
5.国際薬事規制当局プログラム(IPRP)について
ICH総会に併せて、6月7日及び8日にIPRP会合(参考2参照)がバーチャルで開催され、リライアンスの推進・作業部会の活動・各国の規制状況等について意見交換が行われました。
今回会合で、議長・共同議長の改選がされ、議長はPeter Bachmann(EC/EMA)、副議長はDiogo Penha Soares (ANVISA)が選定されました。
(参考1)ICH参加団体一覧(令和3年6月3日時点)
※:管理委員会メンバー 下線:今般会合で追加
【メンバー(18団体)】
○創設規制当局メンバー(3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)(※)、米国食品医薬品局(FDA)(※)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA)(※)
○創設産業界メンバー(3):日本製薬工業協会(JPMA)(※)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(※)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)(※)
○常任規制当局メンバー(2):ヘルスカナダ(※)、スイスメディック(※)
○規制当局メンバー(7):ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)(※)、中国国家医薬品監督管理局(NMPA)(※)、シンガポール保健科学庁(HSA)、韓国食品医薬品安全処(MFDS)(※)、台湾食品薬物管理署(TFDA)、トルコ医薬品医療機器庁(TITCK)、サウジ食品医薬品庁(SFDA)
○産業界メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)(※)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)(※)、世界セルフケア連盟(GSCF)
【オブザーバー(33団体)】
○常任オブザーバー(2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
○規制当局オブザーバー(18):アルゼンチン医薬品食品医療技術管理局(ANMAT)、インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、イスラエル保健省医薬品・監督センター(CPED)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ヨルダン食品医薬品局(JFDA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA)、マレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展監督局(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門科学センター(SCDMTE)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)、レバノン公衆保健省(MOPH)、アゼルバイジャン保健省分析センター(AEC)、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)
○地域調和イニシアティブ(6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体(EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)
〇業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会(APIC)
○医薬品関連国際団体(6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)
(参考2)IPRP
IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme、国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、EU、カナダ、スイス等、約30か国・地域の規制当局が参加した国際会議であり、規制当局間の協力や、規制情報に関する交換等を実施しています。年2回、ICHに併せて会合を開催します。