平成16年1月、山口県の養鶏場において79年ぶりの高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された。その後、2月に大分県のペット用鶏“チャボ”および京都府の養鶏施設からも高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された。山口県および大分県の事例では感染の封じ込めに成功したものの、京都府の事例では、発生当初の通報の遅れから感染が食鳥肉処理施設や羽毛処理施設にまでおよび、さらにはカラスへの感染拡大が起こり、初動体制の重要性が改めて確認されたところである。
この事例では、発症者はいなかったものの養鶏施設の職員や防疫に従事した職員への感染が確認され、改めて感染予防の重要性が認識された。
平成19年1月には、本県においても3か所の養鶏施設において高病原性鳥インフルエンザが発生したため、県全体で防疫作業を行い、福祉保健部において発生養鶏施設職員と防疫従事者の感染防止と不安の解消を目的に対応を行い、感染の封じ込めに成功したところである。
平成20年4月現在、韓国において養鶏施設における高病原性鳥インフルエンザの発生が拡大している。また、ヒトの鳥インフルエンザ(H5N1)感染は、インドネシアやベトナムなどの東南アジア地域およびエジプトなどにおいて発生し、確定症例数381、死亡例数240となり、感染例の報告が続いている。
インフルエンザウイルスは、抗原性の変異を起こしやすく、毎年のように違った型のウイルス(連続変異、小変異)が流行し、数年から数十年に一度大きく変化する(不連続変異、大変異)と大流行(スペインかぜやアジアかぜ)を起こしており、1918年のスペインかぜでは、世界で罹患者6億人、死者2000万人から4000万人、日本においても罹患者2300万人、死者38万人を出しており、人類にとって大きな驚異となっている。なお、スペインかぜも鳥インフルエンザが変異して、ヒトからヒトへ感染を起こしたことが分かっている。
平成20年5月12日、鳥インフルエンザ(H5N1)を特に2類感染症に位置づけ、鳥インフルエンザ(H5N1)に対する入院措置等の法的根拠が整備された。鳥インフルエンザ(H5N1)を除く鳥インフルエンザは、4類感染症に位置づけされており、全数把握疾患となっている。また、発生直後から対策が実施できるように、新型インフルエンザ等感染症が感染症法等に位置づけられ、入院措置等の規定が整備された。
本県では、高病原性鳥インフルエンザ対応指針を平成16年7月9日に策定して公表し、その対応に当たっているところである。この第3版は、本県において、平成19年に発生した高病原性鳥インフルエンザへの対応の経験を踏まえ、改訂を行ったものである。宮崎県新型インフルエンザ対応指針および宮崎県重症急性呼吸器症候群対応指針並びに宮崎県天然痘対応指針宮崎県アクションプランと併せて活用をお願いしたい。
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