マールブルグ熱に関する海外渡航者への注意喚起について
1 発生事例に関する情報
今般、オランダにおいて、ウガンダを旅行し、洞窟でコウモリと接触したとされるオランダ人女性1人が帰国後にマールブルク熱を発症した事例が発生しました。
今回の事例を踏まえ、ウガンダを含む過去のアフリカ発生地域(ジンバブエ、ケニア、コンゴ民主共和国、アンゴラ)へ渡航される旅行者は、コウモリがいる洞窟に立ち入ることは避けるようお願いします。
(仮 訳)
WHO http://www.who.int/csr/don/2008_07_10/en/index.html
ウガンダからオランダへのマールブルグ出血熱輸入例
2008年7月10日
ウガンダを訪れたオランダ人観光客でのマールブルグ出血熱(MHF)事例についてオランダ政府からWHOに通報が入った。マールブルグウイルス感染は、ドイツのハンブルグにあるベルンヘルド・ノッホ研究所で行われた研究室テストで証明された。
40歳の女性が2008年6月5-28日にウガンダを旅行し、2度洞窟に入った。最初の洞窟には、Fort Portal にあり、6月16日に訪れた。この洞窟には、コウモリは見られなかった。彼女は6月19日に、Queen Elizabeth Park と Kabale の間にある Maramagambo Forest の “python cave” を訪れた際にフルーツコウモリに接触したと伝えられている。この洞窟は、サハラ以南アフリカの他地区においてフィロウイルスを運ぶことが認められている種類のコウモリの住処となっているものと考えられる。フィロウイルスは、2タイプのウイルス性出血熱(マールブルグとエボラ)の原因となる。その洞窟では、ある大規模なコウモリ群が見られ、女性は1羽のコウモリに直接接触したと報告されている。
女性は、健康な状態で6月28日にオランダに帰国した。7月2日、最初の症状(発熱、悪寒)が出て、7月5日に病院に収容された。7月7日、肝障害、激しい出血が起こり、急激に症状が悪化。患者は危険な状態のままである。
7月2日以降、感染防御することなく患者に接触した可能性のある人の追跡調査、体温モニターが開始された。MHFウイルス感染の他の可能性を排除するには更なる疫学調査が必要であるものの、予防措置として、オランダ当局は、更なる情報が分かるまではその洞窟を訪れることは避けるようツアー会社に警告を発した。
この洞窟ツアーには、他国からの参加者はなかったが、このMaramagambo Forest にある洞窟は観光スポットとして有名である。患者が発症する4日前のフライトであったことから、ウガンダからの航空便の同乗者に対して措置はとられなかった。
WHOは、今回の事例について、調査を実施することになるウガンダ政府に対して情報提供を行うとともに、住民や旅行者に対してコウモリのいる洞窟に立ち入ることを避けるよう忠告するようウガンダ政府に対し勧告を行った。