◆北海道でのエゾウイルス感染症の報告について

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.447(2021年9月24日)

 エゾウイルスは、ブニヤウイルス目ナイロウイルス科オルソナイロウイルス属に属する、新たなマダニ媒介性急性発熱性疾患として、2020年1月に、国立感染症研究所病原微生物検出情報で初報告されたウイルス感染症です。また、同属には、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスが含まれます。
 9月20日に、北海道大学からのエゾウイルスについての論文が、Nature Communications誌に掲載されました。この論文では、北海道内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)様症状を示した患者の血清248検体を検査し5例でエゾウイルスPCRが陽性であり、2014年~2020年までで計7例(2020年既報告含む)がエゾウイルス陽性であったと報告しています。
 厚生労働省では、エゾウイルスや近年増加傾向が認められるSFTSや日本紅斑熱を含めたダニ媒介感染症に関する情報提供及び市民への注意喚起を促す事務連絡を発出ております。エゾウイルスについては、疫学情報、臨床症状等の情報が未だ不明な点が多く、本疾患については、引き続き情報収集を実施し、必要に応じて情報提供を行ってまいります。

 【出典】

・Kodama F, Yamaguchi H, Park E, et al. A novel nairovirus associated with acute febrile illness in Hokkaido, Japan. Nat Commun. 2021 Sep 20;12(1):5539.

・北海道大学 プレスリリース(研究発表)北海道におけるエゾウイルス熱を発見~マダニが媒介する新たなウイルス感染症~ (2021/9/22) 
 https://www.hokudai.ac.jp/news/2021/09/post-904.html

・厚生労働省 結核感染症課 事務連絡 最近のダニ媒介感染症の国内の発生状況について (2021/9/22) 
PDF https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000834837.pdf

・厚生労働省 結核感染症課 ダニ媒介感染症
 サイト内リンク https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html

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公開日:2021年09月28日

カテゴリー: 感染症