【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.449(2021年10月22日)
コンゴ民主共和国の北キブ州のベニで新たなエボラ出血熱(EVD)の確定例1例が発生したと、2021年10月8日に同国保健省及び2021年10月10日に世界保健機関(WHO)より発表されました。
症例は3歳児で、10月初旬にEVDと一致する症状を呈し、10月6日に死亡した。10月8日に、死後の咽頭スワブ検体のPCR検査でエボラウイルス陽性となりました。
本症例の前に、3名の近隣住民(子供2人とその父親)が9月14日、19日、29日にEVDと一致する症状を発症して死亡していました。
9月30日、WHOは、上記3名の死亡の報告を受け、調査チームを現地に派遣し、疫学調査を開始しました。10月16日時点で、確定例5名(うち死亡者3名)、疑い例3例(うち死亡者3名)が報告されています。
10月9日現在、合計148名の接触者が同定され、フォローアップされています。濃厚接触者や医療従事者に対して、ワクチン接種が行われており、WHOは検査、疫学調査、予防接種体制の強化、及び地域での予防啓発活動を支援しています。
北キブ州では過去に2度のEVDのアウトブレイクが報告されています。なお、これまでに日本におけるEVDの輸入症例は報告されていません。より詳しい情報は下記、WHOアウトブレイク発生情報、WHOアフリカ地域事務局の週報等をご覧ください。
厚生労働省は本疾患に対して引き続き情報収集を実施し、必要に応じて情報提供を行ってまいります。
・WHO Disease Outbreak News (DONs): エボラウイルス病(コンゴ民主共和国)(2021/10/10)
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/ebola-virus-disease-democratic-republic-of-the-congo_1
・WHOアフリカ地域事務局 Democratic Republic of the Congo starts Ebola vaccination (2021/10/13)
https://www.afro.who.int/news/democratic-republic-congo-starts-ebola-vaccination
・United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA) Note d’informations ? Resurgence de l’Epidemie de la maladie a virus Ebola au Nord-Kivu, rapport #1 (2021/10/20)
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/Note%20d%27information%20%23%201%20R%C3%A9ponse%20Epid%C3%A9mie%20Ebola%20au%20Nord-Kivu_20-10-21.pdf
・UNICEF DRC COVID-19 and Ebola Situation Report No.2 (2021/10/16)
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/UNICEF%20DRC_Ebola%20SitRep%232_11-15%20Oct.pdf