◆アメリカにおけるアロマスプレー由来と考えられる類鼻疽の事例が報告されました

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.450(2021年11月5日)

  2021年3~7月の間に、米国ジョージア州など4州において、4例の類鼻疽症例が確認(2例は死亡)されました。
  米国疾病対策・予防センター(CDC)が調査を行ったところ、10月26日のゲノム解析の結果、小売り大手企業で販売されたアロマスプレーが全例に関係していることが判明しました。
  類鼻疽菌が検出された製品は、同企業店舗と通販サイトを通じて本年2~10月21日の間に販売されました。製造元はインドの企業で、商品は米国においてリコールされています。
  CDCはインドの製造企業とともに、菌が混入した原因の調査、その他の商品への混入等について調査を継続しています。
  類鼻疽は、感染症法上4類感染症に位置づけられる、類鼻疽菌による、重症細菌感染症の1つです。同菌を含んだ塵や飛沫を吸い込んだり、汚染された水などの摂取または皮膚からの浸入などによって発症します。
  潜伏期は1~21日とされていますが、数年後の潜伏期を経て発症する例も報告されています。
  本疾患は、熱帯・亜熱帯地域に見られ、これまで国内で感染したと考えられる症例は報告されていませんが、過去には海外で感染したと考えられる症例の国内報告があります。

 【出典】
 ・Center for Disease Control and Prevention. 2021 Multistate outbreak of melioidosis. (2021/11/04).
  https://www.cdc.gov/melioidosis/outbreak/2021/index.html
 ・Wiersinga WJ, et al. Melioidosis. N Engl J Med. 2012 Sep 13;367(11):1035-44. doi: 10.1056/NEJMra1204699.
  https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMra1204699?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org&rfr_dat=cr_pub++0pubmed
 ・Centers for Disease Control and Prevention. Melioidosis transmission. (2021/10/08).
  https://www.cdc.gov/melioidosis/transmission/index.html
 ・病原微生物検出情報(IASR)ベトナムで感染した類鼻疽の1例(Vol. 31 p. 107-108: 2010年4月号) 
  https://idsc.niid.go.jp/iasr/31/362/kj3623.html

ページの先頭へ戻る

公開日:2021年11月09日

カテゴリー: 感染症