参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=GeN_RS-k24253rWLY
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について
このページでは、シルガード9に関する最新の情報をお届けしています。
現在、日本国内で使用できるHPVワクチンは、サーバリックス(2価HPVワクチン)、ガーダシル(4価HPVワクチン)、シルガード9(9価HPVワクチン)の3種類があります。
このうち、サーバリックスとガーダシルは定期接種として公費で受けられます(※)。
シルガード9は、現時点では定期接種の対象ではありませんが、厚生労働省の審議会で定期接種の対象とするか検討中です。
(※)公費で受けられる2種類のHPVワクチン(サーバリックスとガーダシル)については、厚労省ホームページの「 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」をご覧下さい。
これまでの検討状況
■ 2022年3月4日 New
第18回 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会
シルガード9(9価HPVワクチン)について、前回(第17回)で示された論点に沿って議論が行われ、9価HPVワクチンを定期接種に用いることになった場合に検討を要する論点について、今後検討を継続していくことが了承されました。
■ 2021年4月20日
第17回 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会
シルガード9(9価HPVワクチン)について、接種の目的や疾病負荷の大きさ、ワクチンの安全性・有効性、費用対効果、定期接種化の際の検討事項等の論点について議論され、今後も検討を継続していくことが確認されました。
■ 2020年8月18日
第16回 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(持ち回り審議)
シルガード9(9価HPVワクチン)を定期の予防接種に用いることの是非について検討すること、シルガード9のファクトシート作成を国立感染症研究所に依頼することについて了承されました。
9価HPVワクチンとは?
Q1:現在、定期接種の対象となっているサーバリックス(2価HPVワクチン)、ガーダシル(4価HPVワクチン)の接種を受けずに、シルガード9(9価HPVワクチン)が定期接種の対象になるのを待っていた方がよいでしょうか?
シルガード9は、現在定期接種の対象ワクチンではないため、公費での接種は受けられません。
一方で、定期接種の対象であるサーバリックスやガーダシルでも、子宮頸がんに最も関与の強い型であるHPV16/18型の感染を予防できます。また、海外では、サーバリックスやガーダシルの接種が、子宮頚がんの予防に効果があったと報告されています。
HPVワクチンは、性的接触の経験前に接種することが望ましいとされており(HPVは一度でも性的接触の経験があればだれでも感染する可能性があります)、また、子宮頸がんは20代から年齢階級別罹患率が上昇するなど、若い方でも罹患し得るがんですので、シルガード9が定期接種の対象になるのを待っていただくよりも、定期接種の対象期間(小学校6年~高校1年相当)にHPVワクチンを接種することをお勧めしています。
Q2:サーバリックス(2価HPVワクチン)またはガーダシル(4価HPVワクチン)を接種すると、シルガード9(9価HPVワクチン)の接種することはできませんか?
サーバリックスまたはガーダシルで規定の回数の接種が完了している場合、世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)は、シルガード9の追加の接種を推奨していません。 これは、サーバリックスまたはガーダシルでも、子宮頸がんに最も関与の強い型であるHPV16/18型の感染予防に効果があることや、異なる種類のワクチンを接種した場合の有効性と安全性についてのデータが限られていることからです。
Q3:海外でのシルガード9(9価HPVワクチン)の使用状況を教えてください。
各国で使用されているHPVワクチンの種類はそれぞれ異なっていますが、9価HPVワクチンは、2014年12月に米国で最初に承認されて以降、2015年2月にカナダ、2015年6月に欧州連合(EU)やオーストラリアで承認されました。9価HPV ワクチンの販売名は国によって異なるものの、海外の複数の国で使用され始めています。
Q4:シルガード9(9価HPVワクチン)は現在、定期接種の対象ではないということですが、自費ならば受けられますか?
シルガード9(9価HPVワクチン)は、2021年2月から日本国内で販売が開始されているため、任意接種として接種することは可能です。お近くの医療機関などにご相談下さい。ただし、予防接種法に基づく定期接種(公費での接種)の対象ではないため、接種費用は全額自己負担となります。なお、万が一健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度ではなく、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく医薬品副作用被害救済制度の対象となります。
安全性の評価
接種開始後の安全性の評価
日本国内での販売開始後には、次のような方法で安全性についての情報を収集し、国民の皆さまに提供しています。
副反応疑い報告と審議会での評価
接種後に生じうる副反応を疑う事例について、医療機関に報告を求め、収集しています。
ワクチンと関係があるか、偶発的なもの・他の原因によるものかが分からない事例も数多く報告されます。
収集した報告について、厚生労働省の審議会に報告し、専門家による評価を行います。こうした結果を公表するなどして、安全性に関する情報提供などを行っていきます。
これまでに報告されたシルガード9(9価HPVワクチン)の副反応疑い報告は以下のとおりです。
■ 2022年1月21日
第75回副反応検討部会・令和3年度第26回安全対策調査会(2021年7月1日~2021年9月30日報告分)
■ 2021年10月22日
第71回副反応検討部会・令和3年度第20回安全対策調査会(2021年4月1日~2021年6月30日報告分)
■ 2021年8月4日
第66回副反応検討部会・令和3年度第15回安全対策調査会(2021年1月1日~2021年3月31日報告分)
臨床試験での安全性の評価
ワクチンの開発に当たって、国内外での臨床試験で接種後に生じた様々な事象(症状、疾病など)の件数や頻度は、薬事審査の際に審査され、添付文書などに記載されます。