【保健所健康危機管理事例H21】
院内結核集団感染
〔作成者〕
徳島保健所
〔発生年月日〕
2009/4/16~終息していない
〔概要〕
結核患者の発生した医療機関及び患者への積極的疫学調査や接触者検診を行う過程において、院内での感染予防策実施状況を院内巡視や職員への聞き取りなどから把握し必要な事項については助言指導を行った。保健所による病院職員に対する結核についての勉強会実施により、職員の結核への理解が深まり、咳・痰・発熱等の症状発現時、結核にも配慮した患者看護・介護、職員自身の健診の必要性・重要性を再認識するとともに、保健所との連携が深まり、結核患者の早期発見・早期治療に共働して取り組んでいる。今回の事例では、感染者の発生により、接触者健診の対象範囲を段階的に広げるとともに、健診時期も3ヵ月毎または6ヵ月毎とし、健診時以外でも症状がある場合には積極的に喀痰検査を実施した。また、菌検査陽性の場合には、菌株の保存を依頼し、同一株かどうかを判定している。
〔原因/端緒〕
結核菌/70歳男性入院患者;喀痰塗抹(3+)
〔患者/死者/負傷者〕
発病者4名/潜在性結核感染者12名/死者・負傷者ともになし
〔症状/被害状況〕
【患者1(初発患者)】喀痰塗抹(3+)
【患者2】咳(+)、痰(+)、胸水貯留(+)、喀痰塗抹(-)・培養(+)
【患者3】微熱(+)、喀痰塗抹(±)・培養(+)
【患者4】高熱(+)、咳(+)、痰(+)、胸水貯留(+)、喀痰塗抹及び培養(-)、胸水塗抹(-)・培養(+)
【潜在性結核感染者】12名(QFT(+)9名、QFT(判定保留)3名)