【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.474(2022年10月21日)
2022年9月20日、ウガンダ保健当局は、ウガンダ中央部ムベンデ県の患者の検査陽性をもって、エボラ出血熱の発生を宣言しました。
患者は多様な症状を伴う24歳の男性でした。今回のエボラ出血熱の病原体は、スーダンエボラウイルス(SUDV)であり、隣国コンゴ民主共和国(DRC)北キヴ州で発生したザイールエボラウイルス(EBOV)とは種が異なります。
SUDVによるエボラ出血熱の流行はこれまで、ウガンダで4回、スーダンで3回、計7回であり、ウガンダでの最後の発生は2012年です。ウガンダのエボラ出血熱の発生は、2019年DRCで流行したEBOVによるエボラ出血熱の輸入例が最後でした。
厚生労働省は、9月27日に、自治体、日本医師会、各検疫所、国土交通省に対し、事務連絡を発出し注意喚起の協力を依頼しました。
また、厚生労働省検疫所は、海外から日本へ帰国・入国される方に対し、ポスターやリーフレット等で注意喚起を行っています。
【新しい情報】
現在、SUDVに対する複数のワクチンについて研究が行われています。10月19日時点で、ムベンデ県を含む5県で、累計で80例(確定例、可能性例を含む)、そのうち死亡44例が報告されています。
世界保健機関(WHO)は、10月13日、加盟国ブリーフィングにおいて、ウガンダ及び周辺国に対し、感染拡大への対応を強化するよう求めています。
より詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。厚生労働省では本事案について引き続き情報収集を実施し、必要に応じて情報提供を行ってまいります。
・令和4年9月27日付け事務連絡「エボラ出血熱に係る注意喚起について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
・厚生労働省検疫所 【重要なお知らせ】ウガンダ共和国でエボラ出血熱が発生していますのでご注意ください! ( https://www.forth.go.jp/content/000067691.pdf )
・世界保健機関(WHO). Ebola virus disease, Key facts, etc. 23 February 2021
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/ebola-virus-disease
・世界保健機関(WHO). African health ministers take steps to curb Ebola disease outbreak, 12 October 2022
https://www.afro.who.int/countries/uganda/news/african-health-ministers-take-steps-curb-ebola-disease-outbreak?country=879&name=Uganda
・世界保健機関(WHO) SUDAN VIRUS DISEASE (SVD) OUTBREAK, UGANDA, Member State Briefing .13 October 2022
( https://apps.who.int/gb/COVID-19/pdf_files/2022/13_10/Item1.pdf)
・世界保健機関(WHO) WHO Director-General's opening remarks at media briefing ? 19 October 2022
https://www.who.int/director-general/speeches/detail/who-director-general-s-opening-remarks-at-media-briefing---19-october-2022
・国立感染症研究所 エボラ出血熱とは(2019年3月27日改訂)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html