【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.479(2023年1月13日)
2022年9月20日、ウガンダ保健当局は、ウガンダ中央部ムベンデ県の患者の検査陽性をもって、エボラ出血熱の発生を宣言しました。
患者は多様な症状を伴う24歳の男性でした。今回のエボラ出血熱の病原体は、スーダンエボラウイルス(SUDV)であり、隣国コンゴ民主共和国(DRC)北キヴ州で発生したザイールエボラウイルス(EBOV)とは種が異なります。
SUDVによるエボラ出血熱の流行はこれまで、ウガンダで4回、スーダンで3回、計7回であり、ウガンダでの最後の発生は2012年です。ウガンダのエボラ出血熱の発生は、2019年DRCで流行したEBOVによるエボラ出血熱の輸入例が最後でした。
厚生労働省は、9月27日に、自治体、日本医師会、各検疫所、国土交通省に対し、事務連絡を発出し注意喚起の協力を依頼しました。
WHOは、10月13日、加盟国ブリーフィングにおいて、ウガンダ及び周辺国に対し、感染拡大への対応を強化するよう求め、現在、SUDVに対する複数のワクチンについて研究が行われています。
【 新しい情報 】
1月11日、同国保健省は、SUDVによるエボラ出血熱の終息を宣言しました。この宣言は、最後の患者の発生から42日間、新たな患者の報告がないことを受けたものです。
142例の確定例(死亡55例)、22例の可能性例(死亡22例)が報告され、確定例と可能性例を合わせた致死率は、約47%でした。
より詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。
・厚生労働省 エボラ出血熱について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
・世界保健機関(WHO). Ebola virus disease, Key facts, etc. 23 February 2021
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/ebola-virus-disease
・世界保健機関(WHO)Uganda declares end of Ebola disease outbreak, 11 January 2023
https://www.afro.who.int/countries/uganda/news/uganda-declares-end-ebola-disease-outbreak?country=879&name=Uganda
・世界保健機関(WHO) SUDAN VIRUS DISEASE (SVD) OUTBREAK, UGANDA, Member State Briefing .13 October 2022
SUDAN VIRUS DISEASE (SVD) OUTBREAK, UGANDA, Member State Briefing .13 October 2022( https://apps.who.int/gb/COVID-19/pdf_files/2022/13_10/Item1.pdf)
・世界保健機関(WHO) Ebola disease caused by Sudan ebolavirus - Uganda, 8 December 2022
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON428
・FORTH エボラウイルス病(スーダン型) ? ウガンダ共和国(更新3)(12月13日)
https://www.forth.go.jp/topics/20221213_00001.html
・Ministry of Health Uganda, WHO Uganda, EBOLA VIRUS DISEASE, Republic of Uganda, Situation Report 93, 11 January 2023
EBOLA VIRUS DISEASE, Republic of Uganda, Situation Report 93, 11 January 2023 ( https://www.afro.who.int/sites/default/files/2023-01/Ug_EVD_SitRep%2393.pdf)
・国立感染症研究所 エボラ出血熱とは(2019年3月27日改訂)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html