【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.486(2023年4月21日)
2023年3月27日、中国政府はWHOに、広東省において3例目の鳥インフルエンザウイルス(H3N8)によるヒト感染例があったことを報告しました。
WHOによると、患者は多発性骨髄腫のほか基礎疾患を有する56歳女性で、重症肺炎で入院し、3月16日に死亡しています。
同ウイルスによるヒト感染事例は、2022年に中国で初めて報告され、これまで報告された3例はいずれも中国において報告されています。
当該患者は、発症前に家きんへの曝露歴があり、また自宅周辺で野鳥の存在も確認されています。
WHOによると、鳥インフルエンザウイルス(H3N8)は、野鳥で最もよく見られる亜型の1つであり、
当該患者については生きた家禽への曝露が示唆されていますが、この症例の正確な感染源等については現在評価中です。
WHOは、鳥インフルエンザウイルス(H3N8)はヒトの間で持続的に感染する能力を獲得していないと考えられ、ヒトからヒトへの感染拡大の可能性は低いとしています。
・鳥インフルエンザA(H3N8)-中華人民共和国(厚生労働省検疫所FORTH)
https://www.forth.go.jp/topics/2023/20230417_00001.html
・Avian Influenza A(H3N8) – China(WHO)
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2023-DON456
・鳥インフルエンザについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144461.html
・Virtual Press conference on global health issues transcript - 8 February 2023(WHO)
https://www.who.int/publications/m/item/virtual-press-conference-on-global-health-issues-transcript---8-february-2023