【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.488(2023年5月29日)
◆麻しんの国内伝播事例の増加に伴う注意喚起について(続報)
麻しんについては、2019年は744例の報告がありましたが、それ以降は10例以下にとどまっています。
現在、海外における流行が報告されており、海外からの輸入例を契機とした国内における感染例が報告されています。
茨城県からの輸入例が報告された2023年4月27日以降の報告数は、茨城県1例、東京都2例となっています。
(2023年5月17日時点、出典:国立感染症研究所 発生動向調査週報(IDWR)
2023年第19週
今後も国内における輸入例を発端とした国内感染例の発生に注意が必要です。
【医療機関における対応】
1 発熱や発しんを呈する患者を診察した際は、麻しんの可能性を念頭に置き、国内外の渡航歴を聴取し、麻しんの罹患歴や予防接種歴を確認するなど、麻しんを鑑別診断に入れた診療をお願いします。
2 麻しんを疑った場合には、特定感染症予防指針に基づき、臨床診断をした時点で、感染症法に基づき、臨床診断例として直ちに最寄りの保健所に届出てください。
3 診断においては、血清 IgM 抗体価を測定するとともに、確定診断にはウイルス学的検査が必要であり、保健所の求めに応じて検体を提出してください。
4 医療従事者においては、麻しん含有ワクチン接種歴(2回以上の接種)の確認をお願いします。
【麻しんの流行がみられる地域に渡航後の方の受診方法等に対する注意事項】
1 渡航後、帰国後2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意をお願いします。
2 発熱や咳そう、鼻水、眼の充血、全身の発しん等の症状が見られた場合は、医療機関に受診してください。
受診の際には、事前に電話等で、医療機関に麻しんの可能性について伝達し、医療機関の指示に従い、可能な限り公共交通機関を用いることなく受診するようにしてください。
・ 麻しんの国内伝播事例の増加に伴う注意喚起について (協力依頼)
参考:
・ 麻しんについて(厚生労働省)
・ 麻しん対策・ガイドラインなど(国立感染症研究所)
・ 麻しんの予防接種に関する啓発リーフレット