食中毒の発生について~日野市内小学校の調理実習で調理されたジャガイモによる食中毒~(2023年6月8日)―東京都

参照元URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/06/08/03.html

報道発表資料

2023年06月07日

福祉保健局

食中毒の発生について
日野市内小学校の調理実習で調理されたジャガイモによる食中毒

探知

令和5年6月5日(月曜日)午後3時35分、日野市内の小学校から南多摩保健所に、「本日3、4時間目に5年生の家庭科の授業で、ジャガイモを塩茹でし喫食したところ、午後0時頃から複数名が腹痛、頭痛、発熱、倦怠感等の症状を呈した。調理実習では、ジャガイモ以外の喫食はない。」旨の連絡があった。

調査結果

南多摩保健所は、探知後直ちに食中毒調査を開始した。

・ジャガイモは、5月31日(水曜日)に購入し、調理実習当日まで保管されたものであった。

・患者は、小学5年生2クラス20名で、6月5日(月曜日)の1、2時間目と3、4時間目にそれぞれ調理実習を行い、茹でたジャガイモを喫食していた。

・患者は茹でジャガイモを喫食後、約50分後から約6時間後にかけて、頭痛、吐き気、腹痛、発熱等の症状を呈していた。

・残品の茹でジャガイモ及び参考品の生のジャガイモから、ソラニン類を検出した。

・患者はいずれも軽症で、全員回復している。

決定

南多摩保健所は、本日、以下の理由により、本件を6月5日(月曜日)に調理実習で調理した茹でジャガイモを原因とするソラニン類による食中毒と断定した。

・患者は共通して調理実習で調理した茹でジャガイモを喫食していた。

・残品の茹でジャガイモ及び参考品の生のジャガイモから、ソラニン類を検出した。

・患者の症状及び潜伏期間が同物質によるものと一致していた。

発症関係
(6月7日午前11時00分現在)
発症日時 6月5日(月曜日)午後0時20分から
同日午後3時40分まで
症状 頭痛、吐き気、腹痛、発熱等
発症場所 小学校等
患者数

総数20名
(内訳)男:6名(年齢10歳)
女:14名(年齢10~11歳)

入院患者数 0名
診療医療機関数・受診者数 0か所0名
原因食品 茹でジャガイモ
病因物質 ソラニン類

備考

検査関係 検査実施機関:東京都健康安全研究センター

ソラニン類の検出結果について、以下のとおり。
食品(残品)2検体:茹でジャガイモ皮830ミリグラム/キログラム、茹でジャガイモ中身163ミリグラム/キログラム
参考食品4検体:生ジャガイモ皮840~1180ミリグラム/キログラム、生ジャガイモ中身49~171ミリグラム/キログラム

参考

東京都における食中毒発生状況(ただし本事件は含まない)

  発生件数 患者数 死亡者数
本年1月1日~6月6日まで 51件 385名 0名
(昨年同期) (50件) (161名) (0名)
本年6月中(6日まで)  0件  0名 0名
(昨年同期) (4件) (4名) (0名)

ソラニン類

ジャガイモには発芽部分や皮(特に緑化した部分)に有毒物質であるソラニン類が含まれています。このソラニン類を大量に含んだ部分を除去せずに摂取すると食中毒を起こすことがあります。
ジャガイモのソラニン類は主にソラニンとチャコニンですが、これらを200ミリグラムから400ミリグラム摂取すると発症すると言われています。ただし、子供ではそれ以下で発症すると考えられています。

症状

喫食後20分ごろから、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、脱力感、めまい、呼吸困難などの症状を呈しますが、一般的に軽症で、速やかに回復します。

予防方法

  • (1)ジャガイモは冷暗所に保管し、日光が当たらないようにする。
  • (2)芽や皮はあらかじめ取り除き調理を行う。特に緑化した部分は厚くむき取る。
問い合わせ先
福祉保健局健康安全部食品監視課
電話 03-5320-4405

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