ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチンに関する情報を更新しました(令和5年8月7日)

参照元URL:https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=i2xBSthvE9XVHa4ZY

健康・医療

ァイザー社のオミクロン株対応2価ワクチンについて

 ファイザー社の新型コロナワクチンのうち、オミクロン株対応2価ワクチンの有効性・安全性などに関する情報をお届けします。従来型の1価ワクチン(従来株)に関する情報は、サイト内リンク 「ファイザー社の新型コロナワクチン(1価:従来株)について」をご覧ください。

特徴

ワクチンの種類

本剤はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンです。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤になります。本剤を接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。
 令和5年8月現在、従来株及びオミクロン株BA.1又は従来株及びオミクロン株BA.4-5に対応した2価ワクチン(※)が接種可能です。

  1. (※)オミクロン株対応2価ワクチンとは、従来株とオミクロン株系統のそれぞれのスパイクタンパク質の設計図となるmRNAを有効成分とするワクチンです。

接種対象者

 初回(1・2回目)接種が未了である又は完了した、5歳以上の方 New

接種方法

<初回接種> New
 通常、12歳以上の場合は1回0.3mLを合計2回、5~11歳の場合は1回0.2mLを合計2回、三角筋(上腕の筋肉)に、筋肉注射という方法で接種します。

<追加接種>
 通常、12歳以上の場合は1回0.3mL、5~11歳の場合は1回0.2mLを、三角筋(上腕の筋肉)に、筋肉注射という方法で接種します。
 12歳以上の方はBA.1対応型又はBA.4-5対応型の2価ワクチン、5~11歳の方は小児用のBA.4-5対応型の2価ワクチンを使用します。

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接種回数と接種間隔

<初回接種> New

・3週間の間隔をあけて2回、接種を受けてください。

<追加接種>

・前回の接種完了から3か月以上経過した方から、接種を受けてください。接種は1回に限られます。

・前回までの接種に用いたワクチンの種類にかかわらず、本ワクチンの接種が可能です。

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有効性について

 新型コロナウイルス感染症の重症化等の予防を目的として接種します。
 ワクチンを受けた人では、ワクチンを受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した割合が少ないことが分かっています。新型コロナワクチン接種後の中和抗体価と発症予防効果との相関性が報告されており、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症に対して従来型の1価ワクチン(従来株)の重症化予防効果等が報告されていることから、オミクロン株に対して高い免疫応答が確認されている本剤(2価ワクチン)の追加接種により、発症及び重症化を予防する効果が期待されています。また、本剤(2価ワクチン)の臨床試験における追加接種や、非臨床試験における初回接種により、オミクロン株亜系統に対する中和抗体の誘導が確認されたこと等から、一定の有効性が期待されています。New
 従来型の1価ワクチン(従来株)の効果については、サイト内リンク こちらをご覧ください。
 ただし、追加接種を受けても、発症等を完全に予防できる訳ではありません。ワクチン接種にかかわらず、引き続き、適切な感染防止策を行う必要があります。

 臨床試験の概要については、「さらに詳しい情報」をご覧ください。

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安全性について

 主な副反応には、注射した部分の痛み、疲労、頭痛、関節や筋肉の痛み、寒気、発熱等があります。
 稀に起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります。
 また、ごく稀ではあるものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。接種後数日以内に胸痛、動悸、息切れ、むくみ等の症状が現れたら医療機関を受診してください。
 ごく稀ではあるものの、mRNAワクチン接種後にギラン・バレー症候群が報告されています。接種後、手足の力が入りにくい、しびれ等の症状が現れたら、速やかに医療機関を受診してください。なお、本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります。接種後に気になる症状がある場合は、接種医あるいは身近な医療機関に相談してください。

 万が一、ワクチンの接種によって健康被害が生じた場合には、国によるサイト内リンク 予防接種健康被害救済制度がありますので、お住まいの自治体にご相談ください。

 臨床試験等の概要については、「さらに詳しい情報」をご覧ください。

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予防接種を受けることができない人、注意が必要な人

 下記にあてはまる方は、本ワクチンの接種ができない又は接種に注意が必要です。
 当てはまるかどうかや、ワクチンを受けて良いかが、ご不明な方は、その病気を診てもらっている主治医にご相談ください。
 また、当てはまると思われる方は、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。

受けることができない人

  • ・明らかに発熱している人(※1)
  • ・重い急性疾患にかかっている人
  • ・本ワクチンの成分に対し重度の過敏症(※2)の既往歴のある人
  • ・上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人
  1. (※1)明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温に鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。
  2. (※2)アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。なお、前回までの接種でこれらの症状が認められた方は、同一の成分を含むワクチンを用いた追加接種を受けることはできません。

注意が必要な人

・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人

・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人

・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人

・過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人

・過去にけいれんを起こしたことがある人

・本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人

妊娠中又は妊娠している可能性がある人、授乳している人は、接種前の診察時に必ず医師へ伝えてください。なお、かかりつけの産婦人科医に確認していない場合でも、予診医によりワクチン接種が可能と判断された場合は、接種が可能です。

※本ワクチンの成分
▷有効成分
・トジナメラン(従来株のスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA)
・12歳以上用はリルトジナメラン又はファムトジナメラン(それぞれオミクロン株BA.1又はオミクロン株BA.4-5のスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA)、小児(5~11歳)用はファムトジメラン

▷添加物
・ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
・ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
・DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
・コレステロール
・精製白糖
・トロメタモール
・トロメタモール塩酸塩

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接種当日の注意事項

  • 接種前にご自宅で体温を測定し、明らかな発熱がある場合や体調が悪い場合などは、接種を控え、接種を受ける予定の施設にご連絡ください。
  • ワクチンは、通常、三角筋(上腕の筋肉)に接種するため、肩を出しやすい服装でお越しください。

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ワクチンを受けた後の注意点

  • 本ワクチンの接種を受けた後、15分以上(過去にアナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を起こしたことがある方や、気分が悪くなったり、失神等を起こしたりしたことがある方は30分以上)、接種を受けた施設でお待ちいただき、体調に異常を感じた場合には、速やかに医師へ連絡してください。(急に起こる副反応に対応できます。)
  • 注射した部分は清潔に保つようにし、接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部分はこすらないようにしてください。また、接種後に体調が悪い時は無理をせず、入浴は控える等、様子を見るようにしてください。
  • 接種当日は、通常の生活は問題ありませんが、激しい運動や過度の飲酒は控えてください。

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さらに詳しい情報

有効性について(臨床試験等の概要)

▷追加接種(3回目接種以降)(12歳以上)
<海外における臨床試験>

 従来型の1価ワクチン(従来株)を3回接種した55歳を超える者を対象に、本剤(従来株/オミクロン株BA.1)又は従来型ワクチンの追加接種を1回行い、接種1か月後の血清中の新型コロナウイルス(オミクロン株BA.1)に対する中和抗体価と中和抗体応答率を評価しました。本剤接種群の幾何平均比と抗体応答率について、従来型の1価ワクチン(従来株)接種群に対し、それぞれ優越性及び非劣性が示されました。

<非臨床試験>
 マウスを用いた非臨床試験において、BA.4-5の2価ワクチンの追加接種は、起源株・デルタ株・オミクロン株(BA.1、BA.2、BA.4/BA.5等)に対する中和抗体を誘導しており、接種後には、従来型の1価ワクチンに比べてオミクロン株(BA.1、BA.2、BA.4/BA.5等)に対する高い中和抗体価が確認されています。

▷追加接種(3回目接種以降)(5~11歳)
<海外における臨床試験>

 従来型の1価ワクチン(従来株)を3回接種した12歳以上の者を対象に、本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種を1回行い、接種1か月後の血清中の新型コロナウイルス(BA.4-5、BA.1、従来株)に対する中和抗体価を評価しました。BA.4-5、BA.1、従来株に対する本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)接種群の中和抗体価は下記のとおりであり、接種前に比べて上昇することが確認されました。
 また、5~11歳への従来型1価ワクチン(従来株)の追加接種による免疫原性の回復、成人における本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の予防効果に関する報告、従来型1価ワクチン(従来株)の有効性が5歳以上の年齢層で同程度である報告を踏まえ、5~11歳に対する本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種について、一定の有効性は期待できると考えられています。

▷初回接種(生後6か月以上) New

<海外における臨床試験>

 他の年齢層で本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種(4回目)を行った臨床試験において、オミクロン株亜系統(BA.4.6、BA.2.75.2、XBB、BQ.1.1)に対する中和抗体の誘導が確認されたこと、本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の初回接種を行った非臨床試験において、従来株とオミクロン株亜系統(BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.4-5)に対する中和抗体の誘導が確認されたこと等から、2価ワクチン(従来株/BA.4-5)による初回接種の有効性は期待できると考えられています。

安全性について(臨床試験等の概要)

▷追加接種(3回目接種以降)(12歳以上)
<海外における臨床試験>

 本剤(従来株/オミクロン株BA.1)及び従来型ワクチンの追加接種後7日間における主な有害事象の発現割合は下記のとおりでした。

 また本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の安全性については、先立って承認されていた2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.1)と同じ株系統を用いていることを踏まえ、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えられています。

▷追加接種(3回目接種以降)(5~11歳)
<海外における臨床試験>

 12歳以上に対する本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種後7日間における主な有害事象の発現状況は下記(左側半分)のとおりでした。また別の試験において、18歳以上に対する従来型1価ワクチン(従来株)や5~11歳に対する本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種後7日間における主な有害事象の発現状況は下記(右側半分)のとおりでした。
 これらのデータから本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の有害事象の発現傾向は従来型1価ワクチン(従来株)と概ね同様であること、海外における安全性情報でも特段の懸念は認められないことから、5~11歳に対する本剤(従来株/オミクロン株BA.4-5)の追加接種について、安全性は許容可能と考えられています。

  • 詳細(添付文書等)についてはこちらをご覧ください。(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ)

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