埼玉県全域における最新のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のゲノム情報(2024年1月10日)ー埼玉県

参照元URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/covid-19_genome.html

埼玉県全域における最新のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のゲノム情報

新型コロナウイルス感染症の流行の波(第1波~第8波)では、それぞれの波で主流となる流行株は異なるものが検出されました。新型コロナウイルス感染症の動向を把握するには、ゲノムの検出状況を早期に把握することが重要となります。
埼玉県衛生研究所でおこなったゲノムの解析結果に加え、県内政令市・中核市、民間検査機関、国立感染症研究所が実施したゲノム解析結果を分析し、検出状況を掲載しました。

COVID-19のゲノム検出状況

検出ゲノムの推移 (2023年12月14日現在)

新型コロナウイルス発生当初から現在までのゲノム解析結果が得られた陽性者の人数を、系統別に検体採取週別に集計しました。

検出ゲノムの推移(2023年12月14日現在)

サイズ拡大版のグラフ(エクセル:118KB)

県内流行の第1波から第8波まで、いずれも主流となるウイルスは異なっていました。
第8波は第7波と同様のBA.5系統等が主流ですが、系統の中の亜型は異なっています。

また2023年4月以降は、第6波と同様のBA.2系統が主流ですが、系統の中の亜型は異なっています。
 

2022年6月以降の変異株(亜型、系統)の推移(2023年12月14日現在)

2022年6月(第7波)以降のゲノム解析結果を詳細に集計しました。

2022年6月~9月(第7波)はBA.5.2、BA.5.2.1、BF.5などのBA.5系統の亜型が主流でした。

2022年10月~2023年3月(第8波)について、2022年10月~11月は第7波の主流であったBA.5系統の亜型(BA.5.2、BA.5.2.1、BF.5など)が主流である状態が続いていましたが、12月以降はBQ.1.1系統、BF.7系統などの新たなBA.5系統の検出数が徐々に増加して主流になっていました。

2023年4月から5月はBA.2系統の子孫にあたるXBB.1.5系統、XBB.1.9系統、XBB.1.16系統が主流となっていましたが、2023年6月以降、EG.5系統(XBB.1.9.2の子孫にあたる系統)の検出数が増加しました。2023年10月中旬以降、全体的に検出数が少なくなっているものの、EG.5系統が主流となっています。

検出ゲノムの推移(亜型別)(2023年12月14日現在)

サイズ拡大版のグラフ(エクセル:254KB)

また世界保健機関(WHO)は、BA.2.86系統(通称:ピロラ)が世界的に増加傾向にあることを踏まえて、2023年11月21日にBA.2.86系統をVOI(variants of interest:注目すべき変異株)に指定しました。

埼玉県においてもBA.2.86系統の検出数が2023年8月下旬以降少しずつ増加傾向にありますので、今後の動向に注意が必要です。

直近の発生状況は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行情報をご確認ください。
(過去の発生状況は、2023年5月7日以前のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行情報をご確認ください。)

特定のアミノ酸変異を有する変異株について

R346T、F486P変異を有する変異株の系統別の推移 (2023年12月14日現在)

2022年6月以降(第7波以降)、特定のアミノ酸変異(R346T、F486P)の有無で、系統別にまとめて集計を行いました。

またBA.2系統の子孫にあたるXBB系統(いずれもR346Tを有し、その多くはF486Pも併せ持ちます)は赤で色分けをし、集計しました。

(埼玉県内で検出されたR346T変異、F486P変異を有する亜型の一覧につきましてはこちらをクリックしてください。)

 

検出ゲノムの推移 R346T・F486P変異(XBB抜粋)(2023年12月14日現在)

上記グラフの拡大図及び検体数表(エクセル:97KB)

第8波は第7波と同じBA.5系統が主流でしたが、スパイク蛋白質にR346T変異を有する系統が多く検出されました。
2023年4月以降、XBB系統(いずれもR346T変異を有し、その多くはF486P変異も併せ持ちます)が多く検出されており、XBB系統が主流である状態が続いていますが、2023年8月下旬からBA.2.86系統(R346T変異を持たず、F486P変異を有します)が徐々に増加傾向にあります。

R346T、F486P、F456L変異を有する変異株の系統別の推移 (2023年12月14日現在)

2022年6月以降(第7波以降)、スパイク蛋白質にF456L変異を有する変異株をピンク色で色分けし集計を行いました。

(埼玉県内で検出されたF456L変異を有する亜型の一覧につきましては、こちらをクリックしてください。)

F456L変異を持つ株の推移(2023年12月14日時点)

上記グラフの拡大図及び検体数表(エクセル:285KB)

2023年5月から、スパイク蛋白質にF456L変異を有する変異株が検出されはじめ、2023年9月中旬以降は主流である状態が続いていますが、2023年8月下旬からBA.2.86系統(R346T変異とF456L変異を持たず、F486P変異を有します)が徐々に増加傾向にあります。

 

また2022年10月以降の埼玉県内の新型コロナウイルス感染症の定点当たり週別報告数(2022年9月26日から2023年5月7日は全数報告からの推計値、2023年5月8日以降は定点医療機関からの報告に基づく定点当たり報告数)に、上図の週ごとの変異株系統の割合をかけて、定点当たり週別報告数の系統別の内訳を推計しました(2023年5月8日以降のCOVID-19の流行情報及び2023年5月7日以前の全数報告時のデータを用いた定点当たり報告数の推計につきましてはそれぞれリンク先をご覧ください)。

埼玉県内の新型コロナウイルス感染症の定点当たり週別報告数をみると、2023年8月から9月にかけて急激な患者数の増加がみられていました。その要因の一つとして、F456L変異を有するBA.2系統(下図のピンク色)が増加していたことが考えられます。

定点当たり週別報告数系統別内訳の推計(2023年12月14日時点)

特定のアミノ酸変異(R346T変異)を有する変異株について

スパイク蛋白質の特定のアミノ酸変異(R346T)に着目して亜型を分類しました。

なお、BA.2.86系統はR346Tを持たない(BA.2.86系統はR346T変異とF456L変異を持たず、F486P変異を有します)ため、下の分類表には掲載していません。

 R346T変異を有する変異株のF486P変異の有無について (2023年12月14日現在)

2022年9月8日以降に埼玉県内で検出された亜型のうち、スパイク蛋白質のR346T変異を有する変異株を、BA.5系統及びBA.2系統に分けて図示しました。

さらにF486P変異を有する系統は薄いオレンジ色、持たない系統は薄い青色で示しています。BA.2系統については、系統別に分類しました。

R346T、F486P変異を持つ株一覧

サイズ拡大版の表(エクセル:44KB)

 F456L変異を有する変異株の一覧 (2023年12月14日現在)

2022年9月8日以降に埼玉県内で検出された亜型のうち、スパイク蛋白質のF456L変異を有する変異株について、表(R346T変異を有するXBB系統一覧)で図示しました。

下表(R346T変異を有するXBB系統一覧)に掲載されている亜型は全てR346T変異を有します。

また、F486P変異を有する系統は薄いオレンジ色、持たない系統は薄い青色で色分けをし、更に、R346T変異、F486P変異、F456L変異の3つを有する亜型は黄色で示しました。

F456L変異を有する変異株は、R346T変異とF486P変異を併せ持つXBB系統(BA.2系統)で、その中でもEG.5系統(XBB.1.9.2の子孫にあたる系統)が最も多く検出されました。

R346T変異を有するXBB系統一覧(F456L変異の有無別)

サイズ拡大版の表(エクセル:42KB)

Q&Aリンク

ページの先頭へ戻る

関連機関リンク

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

保健医療部 衛生研究所
郵便番号355-0133 埼玉県比企郡吉見町江和井410番地1
電話:0493-59-9325
ファックス:0493-59-9613

ページの先頭へ戻る