【保健所健康危機管理事例H22】
生の鮮魚介類による病因物質不明の食中毒
〔作成者〕
岡山県備北保健所
〔発生年月日〕
2010/10/26~2010/10/31
〔概要〕
患者9名の共通食は当該飲食店しかないこと、症状が共通しており流行曲線も一峰性を示していることから、この施設から提供された食事が原因と断定し、4日間の営業停止処分とした。原材料・検便・ふきとりからは既存の食中毒病因物質は検出されなかった。有症者の共通食はサワラのさしみで、潜伏期間は平均9時間であり疫学調査の結果、病因物質としてクドア・セプテンクタータが疑われるが、当事例発生時の平成22年10月はクドアによる食中毒が病因物質不明とされており、顕微鏡での同定法も確立されておらず、病因物質の断定には至らなかった。
〔原因/端緒〕
平成22年10月26日、管内高梁市内の医療機関より食中毒の疑いのある患者を診察した旨の通報があった。患者からの聞き取りで10月25日に市内飲食店にて8名グループで飲食をし、うち5名が下痢等の症状がでていることが判明した。また店への聞き取りにより同日、他に3グループが飲食をし、有症者が4名発生していることが確認された。
〔患者/死者/負傷者〕
患者9名
〔症状/被害状況〕
下痢(9/9)を主症状とし、他に嘔気(2/9)、嘔吐(1/9)であった。