【保健所健康危機管理事例H23】
生のヒラメを原因としたKudoa septempunctata(以下「クドア」という。)による食中毒事例
〔作成者〕
奈良市保健所
〔発生年月日〕
2011/10/1~2011/10/2
〔概要〕
本事例は、患者の喫食状況と発症状況からクドアによる食中毒が疑われ生のヒラメと患者糞便からクドア胞子あるいはクドア遺伝子が検出されたこと、また、他の食中毒菌等の検査結果から病因物質を特定できる状況はなかったことから、クドアを病因物質とする食中毒と断定し、当該施設に対して食品衛生法第55条に基づき平成23年10月5日から平成23年10月6日までの2日間の営業停止処分とした。
〔原因/端緒〕
平成23年10月3日に市内の飲食店から連絡を受け食中毒調査を開始した。その結果、当該施設が10月1日の昼食として調製した弁当等を喫食した2組20名のうち14名が、10月1日14時を初発として嘔気、嘔吐、発熱、下痢等の症状を呈したことがわかった。また、当該施設に保管されていたヒラメの切り身(患者らに造り等として提供したヒラメと同一個体のもの)および喫食残品の生のヒラメからクドア胞子を検出し、患者4名の糞便からクドアの18S rRNA遺伝子を検出した。
〔患者/死者/負傷者〕
患者数 14名(内訳 受診 4名 入院なし)
死者数 0名
〔症状/被害状況〕
症状(発現率)
嘔気(86%) 臥床(43%)
嘔吐(79%) 腹痛(29%)
悪寒(64%) 曖気(29%)
倦怠感(64%) 戦慄(14%)
発熱(50%) 裏急後重(7%)
頭痛(50%)
下痢(43%)
脱力感(43%)