【管内情報】 【保健所健康危機管理事例H24】知的障害者施設における発熱・発疹を主訴とする患者の集団発生(尼崎市保健所)

【保健所健康危機管理事例H24】

知的障害者施設における発熱・発疹を主訴とする患者の集団発生

 

〔作成者〕
尼崎市保健所

 

〔発生年月日〕
2012/1/6~2012/3/19

 

〔概要〕
知的障害者通所施設において、発熱・発疹の症状を示す者が多数でているとの相談があった。うち、8名については、麻疹IgM陽性や高熱・発疹・コプリック斑などの症状から麻疹の発生が疑われたが、麻疹PCR検査は陰性であった。兵庫県で風疹が流行する数か月前であり診断に苦慮したが、最終的に風疹の診断がなされた。

 

〔原因/端緒〕
知的障害者通所施設で、発熱と発疹が認められる者が数名でているとの相談があった。うち、8名について、麻疹のIgMが高値、コプリック斑が認められるなどから、麻疹の発生届があったが、麻疹PCR検査は陰性であった。兵庫県に依頼し、麻疹のIgMと交差反応を示す疾病を含めウイルス検査を行ったが、原因ウイルスは判明せず、感染は家族、職員にも拡大した。

 

〔患者/死者/負傷者〕
29名(全て回復)
通所者        21名
家族(母親、兄弟等) 7名
施設スタッフ     1名

 

〔症状/被害状況〕
1月6日から、3月19日にかけて、麻疹発生届8名、風疹発生届4名、溶連菌感染症2名、ウイルス感染症1名などの報告が続いた。通所者は予防接種を受けていない者が多いため重症化が懸念されたこと、スタッフに妊婦が2名いたこと、家族の高校生が感染し学校にも指導が必要になったことなど、対策に苦慮した。

公開日:2012年09月27日

カテゴリー: 感染症