【保健所健康危機管理事例H24】市販血清に凝集しない病原性因子不明の大腸菌が検出された食中毒
〔作成者〕
青森県八戸保健所 生活衛生課 主幹 大見丈治
〔発生年月日〕
2012/9/4~2012/9/7
〔概要〕
疫学的調査から学生寮食堂で調理提供された食事が原因の食中毒と断定したが、原因物質は不明となった事例である。寮生479名のうち188名が下痢、腹痛等を呈し、患者3名からエンテロトキシンB型遺伝子保有の黄色ブドウ球菌が検出されたが、患者の臨床症状が主に下痢及び腹痛であり、嘔吐がほとんどなかったことから原因物質とは断定しなかった。さらに、9名の患者から検出された大腸菌が市販免疫血清に非凝集であったが、同一PFGE型を示したことから、この大腸菌が原因ではないかと推定された。しかし、病原性因子は不明であり、現在、国立感染症研究所において解析中である。
〔原因/端緒〕
学生寮の食堂(飲食店営業施設)で調理提供した食事
〔患者/死者/負傷者〕
患者:188名
〔症状/被害状況〕
下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気、悪寒等