【保健所健康危機管理事例H23】精神科医療機関における結核集団感染事例
〔作成者〕
東京都 西多摩保健所 保健対策課 感染症対策係 中島由紀子
〔発生年月日〕
2012/2/1~現在
〔概要〕
事例の特殊性を考慮し、年齢の上限を設けず、QFT検査を実施。QFT陽性者は原則、予防内服の方針とした。入院患者は症例検討会により治療方針を決定した。管内医療機関呼吸器内科医が当該精神科医療機関にコンサルテーションに出向く体制を整備し、塗抹陽性者以外の入院患者は当該精神科医療機関内で治療を完了した。
〔原因/端緒〕
原因病原体:結核菌
端緒:同時期に管内精神科医療機関より2名の肺結核塗抹陽性患者の届出があった。2名の接触期間は約3ヶ月であったが、菌株遺伝子パターンが一致。接触者健診実施前に、さらに1名の届出があり、菌株遺伝子パターンが一致。同一感染源であることが判明
〔患者/死者/負傷者〕
発病者のうち死者3名。うち結核死は1名。
〔症状/被害状況〕
半数の発病者に咳、痰、発熱などの症状があった。
当該病棟職員30名:発病3名 LTBI(内服)18名 LTBI(経過観察)1名
その他病院職員23名:発病0名 LTBI(内服)5名
入院患者59名:発病15名 LTBI(内服)33名 LTBI(経過観察)3名