[ 詳細報告 ]
分野名:細菌性食中毒
登録日:2016/03/17
最終更新日:2016/05/26
衛研名:京都市衛生公害研究所
発生地域:京都市
事例発生日:2001年10月
事例終息日:2001年11月
発生規模:
患者被害報告数:患者数59名
死亡者数:
原因物質:Campylobacter jejuni Penner K群
キーワード:カンピロバクター,鶏肉,集団発生
背景:
京都市では修学旅行生を受け入れる施設が多く、時として食中毒事例が見られるので普段から食事に対して注意を促しているところであるが、今回カンピロバクタージェジュニによる食中毒集団発生事例が発生した。
概要:
2001年10月25日~29日に京都・奈良・大阪・東京方面に修学旅行に行ったA県立高校の生徒209名中13名が下痢、発熱等の食中毒様症状を呈し県内の医療機関に受診したとの連絡が30日本市にあった。
原因究明:
食品24検体、従業員の検便5検体、ふきとり13検体について検査をした結果、食品のうち生の鶏肉1検体からカンピロバクタージェジュニを分離した。
患者から分離されたカンピロバクタージェジュニと同じPenner K群であったが施設では生鶏肉をテーブルごとに鳥鍋として加熱を行った上提供していることから、患者全員が加熱不十分の鶏肉によるものとは考えにくく、調理人や器具等を介した2次汚染である可能性も否定できないため原因食品については不明とした。
診断:
地研の対応:
修学旅行生の利用した施設のふきとり、従業員の検便、残置食等の食品について食中毒原因菌の検査を実施した。
行政の対応:
食材からカンピロバクタージェジュニを分離し、患者の型と一致したので当該施設を3日間の営業停止とともに消毒指導や衛生管理の徹底を通知した。
地研間の連携:
なし
国及び国研等との連携:
なし
事例の教訓・反省:
大量調理施設においては、すべてが同じ条件で調理することが難しいので修学旅行生等の場合は鍋物が多く提供されているようである。修学旅行生達若者は空腹のため少々生でも食べる可能性があるので生鶏肉等の食材については事前に下処理しておく必要があると考えられた。
現在の状況:
鍋物の食材となる鶏肉等については必ず加熱等の下処理を行った後提供している。
今後の課題:
京都市においては毎年多くの観光客や修学旅行生が入洛するので、宿泊施設や大量調理施設については今後も監視および指導の徹底をはかり安全を確保する。
問題点:
関連資料: