No.563 かぶの浅漬けに関連した老人保健施設における腸管出血性大腸菌O157:H7(VT1,2)の集団発生事例(埼玉県)

[ 概要報告 ]
分野:細菌性食中毒

衛研名:埼玉県衛生研究所

時期年月:2000/6 ~ 2000/7

地域:菖蒲町

概要:
老人保健施設で集団下痢症が発生。患者数は7名で全員に血便・腹痛・発熱が認められた。入所者の検便の結果、患者7名中5名、無症状者1名の合計6名から左記の大腸菌が検出された。そのうち、溶血性尿毒症症候群を合併した1名と、感染が誘因になったとみられる心不全を併発した2名、合計3名が死亡した。保存検食のうち、6月の朝食に供されたかぶの浅漬けより、EHECが分離され、患者分離株とパルスフィールド・ゲル電気泳動法で同一のDNAパターンであることが明らかになった。疫学解析から接触感染などを示唆させる結果は得られず、今回の集団発生の原因は、かぶの浅漬けであると推定した。