No.1020 タイ産ダイエット薬による健康被害について

[ 詳細報告 ]
分野名:その他
登録日:2016/03/11
最終更新日:2016/05/27
衛研名:香川県環境保健研究センター
発生地域:香川県内
事例発生日:2002年12月24日
事例終息日:2003年1月
発生規模:
患者被害報告数:1名
死亡者数:0名
原因物質:フェノバルビタール、シブトラミン、ビサコジル、ヒドロクロロチアジド、他不明1
キーワード:タイ、ホスピタルダイエット、インターネット、個人輸入、向精神薬、肥満治療薬

背景:

概要:
インターネットにより、タイから5種類の製品からなる「ホスピタルダイエット・3a5」と称するダイエット薬を個人輸入し、服用していた患者が重篤な皮膚壊死症、肝障害などを起こし、原因としてこれらダイエット薬が疑われるという通報が病院よりあった。

原因究明:
5種類のうち4種類からそれぞれフェノバルビタール、シブトラミン、ビサコジル、ヒドロクロロチアジドを検出確認した。

診断:

地研の対応:
インターネットなどから情報を収集し、ダイエット薬5種類の同定を試みた。

行政の対応:
1)医療機関の医師及び患者家族からの聞取りにより事実関係を確認
2)患者が服用していた製品を入手し、地研に検査を依頼
3)患者が個人輸入を申し込んだ相手先からメールにより情報収集
4)食品部局との連携、国との情報交換
5)プレス公表、県のホームページ等において注意喚起
6)「健康食品等に関する健康被害受付処理票」により国に報告

地研間の連携:

国及び国研等との連携:

事例の教訓・反省:
このような事例は初めてであり、国研や薬事に精通している地研と連携すればより迅速な検査対応ができたのではないかと思う。

現在の状況:

今後の課題:
どのような医薬品(化学物質)等が含まれているか一度に分析できない。検索ライブラリー不備のため同定が困難であり、未承認医薬品などの標準品が入手しにくい。
今後、LC-MS,GC-MSによる一斉分析法を検討し、スクリーニングにより含有医薬品等を短時間で分析できるようにしたい。

問題点:

関連資料:
香川県環境保健研究センター所報2号に掲載