No.1094 室内空気中化学物質による健康被害(一般住宅2)

[ 詳細報告 ]
分野名:その他
登録日:2016/03/11
最終更新日:2016/05/27
衛研名:大阪府立公衆衛生研究所
発生地域:大阪府交野市
事例発生日:2002年3月
事例終息日:2002年8月
発生規模:
患者被害報告数:家庭内 被害者数 家族全員(2名)
死亡者数:0名
原因物質:室内空気中ホルムアルデヒド
キーワード:室内空気、ホルムアルデヒド、シックハウス、化学物質過敏症、揮発性有機化合物

背景:
近年、住宅内空気中の化学物質がその発症原因の一つであると考えられる「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」が社会的に問題となり、住民の室内空気環境に対する関心も高まっている。厚生労働省では、室内において生活衛生上問題となる各化学物質の空気中濃度指針値の策定を現在進めている。

概要:
30歳台の夫婦二人家族。2002年3月竣工の建売り一戸建て木造住宅に同年5月より入居。入居当初から室内の臭いが気になっていた。一週間経過したころから2人ともに鼻や喉、胸の痛みなどの症状があらわれた。病院に受診し、妻が化学物質過敏症と診断されたため、別の住宅に避難した。同年8月、当所に室内空気の検査依頼があり、空気中のホルムアルデヒド濃度を測定した。各部屋の窓および扉を閉切った環境において24時間平均濃度を調べたところ一階居間における濃度は0.11ppmであり、国の提案する指針値(0.08ppm)を上回った。一方、二階寝室における濃度は0.02ppmと低かった。ホルムアルデヒドの発生源を究明するため、避難後も室内に残っていた家具や調度品を部屋から出した後、同様にホルムアルデビト濃度を測定した。居間、寝室の濃度はそれぞれ、0.10ppmおよび0.02ppmであり、前回の結果とほぼ一致した。これらの結果より、ホルムアルデヒドの主要な発生源は建材等であり、居間は寝室に比較してホルムアルデヒドの含有量の多い建材等が使用されている可能性が高いと推定された。

原因究明:
室内空気中ホルムアルデヒドの測定

診断:

地研の対応:
上記のごとく対応した。

行政の対応:
特になし

地研間の連携:
特になし

国及び国研等との連携:
特になし

事例の教訓・反省:
検査データが訴訟に使用され、担当の弁護士から測定の詳細を尋ねられたりすることもあるので、この種のデータは、裁判も想定して作成しておく必要性を感じた。

現在の状況:

今後の課題:

問題点:

関連資料: