[ 概要報告 ]
分野:ウイルス性食中毒
衛研名:愛媛県立衛生環境研究所
時期年月:2005/12/11 ~ 2005/12/13
地域:愛媛県M市を中心に15都府県(25自治体)
概要:
2005年12月、M市の旅館において下痢(76%)、嘔気・嘔吐(69%)、腹痛(61%)、発熱(39%)を主症状とする胃腸炎の集団発生があり、県外の宿泊客も多かったため患者発生は15都府県に及んだ。保健所での細菌検査では病原菌は特定されず、PCR及び電子顕微鏡検査の結果、患者便27例中25例、調理従事者20例中8例からノロウイルス(NV)が検出(県外患者12例を含む)され、このウイルスによる集団発生であることが確認された。患者及び従事者から検出されたNV10株の塩基配列(カプシド領域の約300塩基)を解析したところ、全てGI/8(Sindlesham)であり、患者由来株と従事者由来株の塩基配列相同性は、ほぼ100%であった。疫学調査より、旅館の夕食を原因とする食中毒と判断されたものの、感染経路は調理従事者から食品が二次汚染されて発生したと推定された