[ 概要報告 ]
分野:その他
衛研名:大阪府立公衆衛生研究所
時期年月:2007/1/24 ~ 2007/4
地域:大阪府箕面市
概要:
箕面市の築後11年の賃貸住宅の居住者全員(母親と子供4名)が、1月23~25日に行われた風呂改築工事が原因で化学物質過敏症を発症した。症状は24日から出現した。3月末病院を受診し、化学物質過敏症が疑われたため、当所に相談があり、4月18日室内空気中の揮発性有機化合物濃度を測定した。トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、パラジクロロベンゼン、テトラデカンの他VOC30物質の濃度はいずれも低値であった。工事から3ヶ月も経過しているため、工事期間中の物質濃度は推察できないが、工事期間中、居住者は気になるほどの臭いは感じなかったと話す。しかし、粉塵による室内空気の汚染は著しく、工事終了後の数日間は、室内が埃で白く霞んでいたとのことである。4月18日、VOC測定に訪れた際も部屋のブラインド等に工事に起因すると思われる相当量の粉塵が付着していた。4月下旬北里大学病院を受診し、化学物質過敏症と診断された(何名かは不明)。通常、化学物質過敏症は、低濃度化学物質への長期間曝露や高濃度化学物質への短期曝露など、発症の原因は化学物質である。しかし、このケースでは、発症の原因が粉塵である可能性が高い。