[ 詳細報告 ]
分野名:自然毒等による食中毒
登録日:2016/03/08
最終更新日:2016/05/27
衛研名:東京都健康安全研究センター
発生地域:東京都中央区
事例発生日:2007年10月22日
事例終息日:
発生規模:56食提供
患者被害報告数: 30名
死亡者数:0名
原因物質:ヒスタミン
キーワード:ヒスタミン、サンマ、職員食堂、顔面紅潮、発疹
背景:
ヒスタミンによる食中毒は東京都内で毎年発生している.その件数は都内だけでも最近5年間で年に1~5件である.ヒスタミンによる食中毒は100mg/100g以上で発症すると推定されるが,カダベリン等のアミン類が共存により作用は増強されるといわれている.また,チラミンは食品による片頭痛の原因物質としても知られている。
概要:
平成19年10月22日,中央区内の事業所及び事業所医務室から保健所に「昼に職員食堂で『サンマハンバーグ』を摂食した従業員約30名が顔面紅潮,発疹等の症状を呈した」旨の連絡があった.「サンマハンバーグ」は56食提供され,患者は30名で,いずれも「サンマハンバーグ」を摂食しており,食べた直後から顔面紅潮,発疹,のぼせ等の症状を呈していたことから,原因物質としてヒスタミンが疑われた.
原因究明:
「サンマハンバーグ」について分析した結果,検食からヒスタミン,カダベリン,チラミンをそれぞれ190,25,8mg/100g,残品からヒスタミン,カダベリン,チラミンをそれぞれ130,18,6mg/100g、未開封の参考品からヒスタミンおよびカダベリンをそれぞれ83,17mg/100g検出した.
診断:
患者の共通食は「サンマハンバーグ」のほかにないこと,「サンマハンバーグ」からヒスタミンが検出され患者の症状もこれによるものと一致したこと,患者を診察した医師の診断が食中毒であることを確認したことから当該社員食堂が提供した「サンマハンバーグ」を原因とする食中毒と断定した.
地研の対応:
サンマハンバーグについて,ヒスタミン,カダベリン,チラミン,スペルミジン及びプトレシン等の不揮発性アミン類の検査を行なった.
行政の対応:
福祉保健局のホームページ上で食中毒の発生を発表すると共に予防方法等の注意喚起を行った。
地研間の連携:
なし
国及び国研等との連携:
なし
事例の教訓・反省:
なし
現在の状況:
検査担当者2人
今後の課題:
なし
問題点:
関連資料: