No.1436 魚へい死事故時における農薬の検出(浜松市)

[ 詳細報告 ]
分野名:化学物質による食品汚染
登録日:2016/03/08
最終更新日:2016/05/27
衛研名:浜松市保健環境研究所
発生地域:
事例発生日:2008年6月25日
事例終息日:
発生規模:ボラ、ハゼの稚魚200匹程度のへい死
患者被害報告数:無
死亡者数:0名
原因物質:農薬(メチダチオン(殺虫剤))
キーワード:魚へい死、農薬スクリーニング、メチダチオン、GC/MS、GC(FPD)

背景:

概要:
2008年6月25日17時頃、浜松市内北区の普通河川下流付近で魚が死んでいると通報が区役所にあった。川底には、体長3~10cmのボラや、ハゼの稚魚200匹程度が川底に沈んでいた。河川の上流付近にはみかん畑が広がっており、特定事業場に該当する工場等はない。そこで、区役所職員が現場において溶存酸素測定用のDO瓶およびテスパックによる河川水のサンプリングを実施し、併せて現場付近での聞き取り調査を行った。翌日研究所に搬入され、検査を実施したところ、pH及びDOについて問題となる値ではなかった。次に、聞き取り調査の結果、事故当日頃はみかん畑の消毒を行っている農家があり、使用農薬はクロチアニジン、メチダチオン及びマンゼブ等であったことがわかった。この結果をうけ、53農薬スクリーニング検査及びFPDによる定量から、メチダチオンが66μg/Lの濃度で検出された。

原因究明:
河川水からメチダチオン66μg/Lを検出

診断:

地研の対応:
搬入検体の農薬スクリーニングおよび定量試験

行政の対応:
現場での素早いサンプリングと周辺聞取り調査

地研間の連携:

国及び国研等との連携:

事例の教訓・反省:
魚へい死事故等に対して、適正なサンプリングや現場調査、また検査体制の充実を図っていくことにより、原因物質の確定まで行うことができる。

現在の状況:

今後の課題:
検査体制の整備については、近年では液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC/MS)でより多くの物質の測定が可能になっていることから、LC/MSを用いた測定方法の検討を行っていくことが重要である。また、今回は河川水のみのサンプリングであったため、魚へい死の原因解明には到らなかったので、今後はへい死した魚の検査も重要であると考える。

問題点:

関連資料: