No.1559 スープに混入した水酸化ナトリウムによる食中毒

[ 詳細報告 ]
分野名:化学物質による食品汚染
登録日:2016/03/08
最終更新日:2016/05/27
衛研名:神奈川県衛生研究所
発生地域:神奈川県小田原市
事例発生日:2011年6月1日
事例終息日:
発生規模:摂食者3名
患者被害報告数:3名
死亡者数:0名
原因物質:水酸化ナトリウム
キーワード:水酸化ナトリウム、スープ、鍋、掃除

背景:
水酸化ナトリウムは化学工業用に使用されるほか、有機物質を分解する力が強いことを利用し、家庭用洗浄剤の有効成分として使用されている。腐食性が強く、水溶液はアルカリ性を呈し、高濃度液を飲むと口内、食道、胃などの粘膜を腐食する。

概要:
平成23年6月2日、小田原市消防本部から、「6月1日夜に小田原市内の飲食店で食事をした客2名と店員1名を病院に緊急搬送した。」旨の情報提供が小田原保健福祉事務所にあった。保健福祉事務所で調査を行ったところ、症状を呈している人の共通の食事がこの飲食店が提供したわかめスープだけであること、症状が共通していること、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、このスープを原因とする食中毒と決定した。

原因究明:
営業時間中に調理場の掃除をするため、水酸化ナトリウムを薄めた液を鍋で温めていたところ、別の従業員がわかめスープと間違えて客に提供してしまい、このスープを飲んだ人が救急車で病院に搬送された。営業時間中に掃除を開始し、そのことを別の従業員に周知せず、食品以外のものを鍋に入れていたことが原因と考えられた。

診断:

地研の対応:

行政の対応:
原因施設に対し、2日間の営業停止処分

地研間の連携:

国及び国研等との連携:

事例の教訓・反省:
化学製品を食品の容器に入れ、誤って摂取して健康被害が発生する例は多い。対策は、洗剤などの化学製品を食品の容器に移すことをやめ、小分けした容器には内容物を表示することが有効であり、これを周知することが必要である。

現在の状況:

今後の課題:

問題点:

関連資料: