鳥インフルエンザに関するQ&A

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/qa.html

厚生労働省健康局結核感染症課
国立感染症研究所
2016年12月12日更新

サイト内リンク (1) インフルエンザとは何ですか。
サイト内リンク (2) 鳥インフルエンザとは何ですか。
サイト内リンク (3) 高病原性鳥インフルエンザとは何ですか。
サイト内リンク (4) 鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)はヒトにも感染するのですか。
サイト内リンク (5) 鳥インフルエンザウイルスはどのような場合にヒトに感染するのですか。
報告されている患者のほとんどが、家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があったとされています。

サイト内リンク (6) 鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)に感染することはありますか。
サイト内リンク (7) 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを含む)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。

(1) インフルエンザとは何ですか。

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症です。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスがヒトや動物に感染することで引き起こされる感染症です。インフルエンザウイルスは抗原性の違いから、A型、B型、C型、D型に大きく分類されます。
国内で主に冬季に流行するインフルエンザは、季節性インフルエンザと呼ばれ、近年、世界的にヒトの間で流行している原因ウイルスは、A(H1N1)pdm09、A(H3N2)(いわゆるA香港型)、B型です。

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(2) 鳥インフルエンザとは何ですか。

鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。
鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスの自然宿主は野生の水きん(カモ)類です。この野生のカモ由来のウイルスが家きんの間で感染を繰り返すうちに、鶏に対して高い病原性を示すウイルスに変異した場合に高病原性という表現をします。
鳥インフルエンザウイルスは、通常はヒトに感染しませんが、感染したトリに触れる等、濃厚接触をした場合などにきわめて稀にヒトに感染することがあります。このように、鳥インフルエンザウイルスが、トリ以外に、ヒトやその他の動物に感染した場合も鳥インフルエンザという病名を使用しています。
ヒトの鳥インフルエンザのうち、A(H5N1)及びA(H7N9)の鳥インフルエンザは、感染症法上は二類感染症に、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは 四類感染症に位置づけられています。

家きんにおける鳥インフルエンザについては農林水産省HP「鳥インフルエンザについて知りたい方へ」をご参照ください。

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(3) 高病原性鳥インフルエンザとは何ですか。

鳥インフルエンザのなかでも、鶏に感染させた場合に、高率に死亡させてしまうようなものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといいます。高病原性鳥インフルエンザウイルスとしては、A/H5亜型のものとA/H7亜型のものが知られています。

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(4) 鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)はヒトにも感染するのですか。

鳥インフルエンザウイルスは、通常、ヒトに感染することはありません。しかしながら、感染したトリに触れる等濃厚接触をした場合など、きわめて稀に鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染することがあります。
近年、エジプトにおいてA(H5N1)、中国においてA(H7N9)の鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染した事例が報告されています。また、WHOによると、中国においてA(H5N6)ウイルスのヒトでの感染事例が2014年2月に初発例が確認され以後、2016年12月7日までに16例が報告されています。

サイト内リンク 鳥インフルエンザ(H5N1)の詳細はこちら「鳥インフルエンザ(H5N1)について」
サイト内リンク 鳥インフルエンザ(H7N9)の詳細はこちら「鳥インフルエンザ(H7N9)について」
サイト内リンク 鳥インフルエンザ(H5N6)の詳細はこちら「鳥インフルエンザA(H5N6)ウイルス発生状況」( 国立感染症研究所)
サイト内リンク (参考)Monthly Risk Assessment Summary (WHO)

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(5) 鳥インフルエンザウイルスはどのような場合にヒトに感染するのですか。
報告されている患者のほとんどが、家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があったとされています。

また、鳥インフルエンザウイルスがヒトからヒトに感染するのはきわめて稀であり、感染の事例は、患者の介護等のため長時間にわたって患者と濃厚な接触のあった家族等の範囲に限られています。

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(6) 鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)に感染することはありますか。

鳥インフルエンザウイルスについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによってヒトに感染したという事例の報告はありません。
なお、WHO(世界保健機関)は、鶏などの家きん類にA(H5N1)の高病原性鳥インフルエンザが集団発生している地域(東南アジア等)では、家きん類の肉及び家きん類由来製品について、食中毒予防の観点からも十分な加熱調理(全ての部分が70℃に達すること)及び適切な取扱いを行うことが必要であるとしていますので、鶏肉は十分加熱して食べてください。また、鶏肉を未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からもお勧めできません。
また、食品安全委員会も、平成16年3月に、鶏肉や鶏卵は「安全」とする見解を示しています。詳細は、食品安全委員会ホームページをご参照ください。

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(7) 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを含む)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。

鳥インフルエンザ=新型インフルエンザではありません。
鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。一方、新型インフルエンザは、既知の鳥インフルエンザウイルスや豚インフルエンザウイルスの遺伝子が変異※し、ヒトからヒトへと効率よく感染する能力を獲得した、新たな遺伝子を持つインフルエンザウイルスによる感染症です。季節性インフルエンザウイルスと異なり、大部分のヒトは新型インフルエンザウイルスに対する免疫を有さないと考えられるため、ヒトの間で急速かつ大規模な流行を引き起こすと考えられます。なお、平成21年に発生した新型インフルエンザは、豚インフルエンザウイルスの遺伝子変異に由来したウイルスでした。

※鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスになる仕組みは、2つあります。ひとつは、鳥インフルエンザウイルスがヒトや鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。もうひとつは、ヒトや豚に、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれが混ざり合って、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。(下図参照)

鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係

その他、新型インフルエンザについては「新型インフルエンザに関するQ&A」 も参照してください。

 


公開日:2016年12月14日

カテゴリー: 感染症