ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて(2016年12月14日更新(問4・問8修正、問15追加)

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html

2016年1月21日作成
2016年12月14日更新(問4、8修正 問15追加)

ページ内リンク【一般の方向け】
サイト内リンク問4  日本国内での発生はありますか?
ページ内リンク問8 妊婦や胎児にジカウイルス感染症はどのように影響しますか?
サイト内リンク問15 流行地に居住していますが、妊娠を希望しています。どのようなことに気をつければよいですか?

【一般の方向け】

問4  日本国内での発生はありますか?

答 2013 年以降、海外の流行地域で感染し、発症した症例(輸入症例)が、報告されていますが、日本国内で感染した症例はありません。

IASR(2014年2月号)フランス領ポリネシア・ボラボラ島帰国後にZika feverと診断された日本人旅行者の2例
IASR(2014年10月号)タイ・サムイ島から帰国後にジカ熱と診断された日本人旅行者の1例

問8 妊婦や胎児にジカウイルス感染症はどのように影響しますか?

答 ブラジル保健省は、妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症に関連がみられるとの発表をしており、 2016 年1月 15 日には、米国 CDC が、妊娠中のジカウイルス感染と小頭症との関連についてより詳細な調査結果が得られるまでは、流行国地域(問 3 参照)への妊婦の方の渡航を控えるよう警告し、 妊娠予定の女性に対しても主治医と相談の上で、厳密な防蚊対策を推奨しました。 1 月21日には、 ECDC (欧州疾病対策センター)は、流行地域への妊婦及び妊娠予定の方の渡航を控えることを推奨しました。世界保健機関(WHO)は、 2 月 1 日に、緊急委員会を開催し、小頭症及びその他の神経障害の集団発生に関する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態( PHEIC )」を宣言しました。また、3月8日に、第2回目の緊急委員会を開催し、渡航に関して以下の勧告等を発表しました。

○ジカウイルスの伝播がある地域等への(からの)渡航や貿易についての一般的な制限はない。

○妊婦はジカウイルス感染症が発生している地域への渡航をしないよう勧告される。ジカウイルス感染症が発生している地域に住んでいる又は渡航するパートナーのいる妊婦は、妊娠期間中は、安全な性行為を確保するか性行為を控える。
○ジカウイルス感染症が発生している地域へ渡航する人は、可能性のあるリスクや蚊による刺咬の可能性を低くするための適切な措置についての最新の勧告を入手し、帰国後は、伝播のリスクを下げるため、安全な性行為を含めた適切な対策をとる。
○WHOは、ジカウイルス感染に関するリスクの性質や期間についての情報とともに渡航についてのガイダンスを定期的に更新する。

WHOは3月31日、米国CDCは4月13日、これまでの研究結果から、ジカウイルス感染が小頭症等の原因となるとの科学的同意が得られたと結論づけました。
また、WHOは11月18日に第5回目の緊急委員会を開催し、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」の終息を宣言し、ジカウイルス感染症については世界的に対策を進めるためにも、今後も各国が技術的な対策に取り組んでいく必要があるとしました。現在も、小頭症や他の神経障害とジカウイルスとの関連についての更なる調査が行われています。

 

問15 流行地に居住していますが、妊娠を希望しています。どのようなことに気をつければよいですか?

答 問1にもあるとおり、
ジカウイルスは母体から胎児への感染を起こすことがあり(母子感染による先天性ジカウイルス感染症)、小頭症などの先天性障害を起こす可能性があります。母子感染しうる他の代表的な感染症(トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症、梅毒、風しんなど)と同様、母体の感染予防、母体や胎児への感染の早期診断・早期治療が重要ですが、先天性ジカウイルス感染症に関しては、現在のところ胎児への感染の診断方法やその解釈について、確立されているとはいえず、ワクチンや治療薬もありません。そのため感染予防が最も重要で、可能な限り、妊婦及び妊娠の可能性がある人の流行地への渡航は控えることをお勧めしています。

流行地域に居住している方で、妊娠を希望する場合は、妊娠を計画する際に、妊娠中にジカウイルスに感染するリスクについて、現地のジカウイルス感染症の流行状況やその病態をよく理解している医療機関の医師と、まず、よく相談してください。医師との相談の結果、現地で妊娠を希望する場合には、妊娠前及び妊娠中において、そのパートナーとともに厳密な防蚊対策(住居周辺や住居内の蚊の幼虫・成虫駆除を含む)を講じるようにしてください。また、妊娠期間中は、パートナーのジカウイルス病を疑わせる症状の有無にかかわらず、性行為の際に適切にコンドームを使用するか、性行為を控えることを推奨します。妊娠が判明した場合、ジカウイルスへの感染の機会を減らすこと、また、妊娠経過を適切に観察する必要性の両面から、妊婦が帰国することも選択肢として考慮してください。
「世界の医療事情(在外公館医務官情報)」

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公開日:2016年12月15日

カテゴリー: 感染症