参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032628.html
お知らせ
・ジビエとは、シカ、イノシシなど狩猟の対象となり食用とする野生鳥獣、又はその肉のことです。
・生または加熱不十分な野生のシカ肉やイノシシ肉を食べると、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌または寄生虫による食中毒のリスクがあります。
・ジビエは中心部まで火が通るようしっかり加熱して食べましょう。また、接触した器具の消毒など、取扱いには十分に注意してください。
ジビエの安全確保について
・厚生労働省では、狩猟から消費に至るまでの各工程における、安全性確保のための取組について、 野生鳥獣の衛生管理に関する検討会を行い、この結果を踏まえて「 野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」( 別紙カラーアトラス)を作成しました。
・野生鳥獣肉の衛生管理関する検討会では、野生鳥獣の食利用に係る流通実態等に関して幅広く把握するとともに、それを踏まえて事業者による衛生管理の参考となるガイドラインの作成など衛生管理の徹底等による安全性確保のための取組について検討し、報告書をとりまとめました。
・業として食用とする野生鳥獣の食肉加工を行う場合には、食品衛生法の規制対象となります。具体的には、基準に適合する食肉処理施設を設けること、処理加工を行うために必要な営業許可を受けること、基準にしたがって衛生的に処理加工を行うことが必要となります。
・また、野生鳥獣の利活用の盛んな一部の自治体では、処理加工において守るべき衛生管理の方法などを示したガイドラインやマニュアルを作成しています。野生鳥獣肉の処理加工を始める際には、各自治体にご相談ください。
・現在、厚生労働省では適正なリスク管理措置を導入するために関係都道府県等とも連携して野生鳥獣の病原微生物による汚染実態調査等を実施しており、その結果はまとまった段階で公表することとしています。
・なお、農林水産省においても「 野生鳥獣被害防止マニュアル」を作成し、その中で野生鳥獣の捕獲・処理における衛生管理の方法について示していますので、処理加工を行う際の参考にしてください。
(参考)食肉販売の流れ[76KB]
野生鳥獣肉のE型肝炎ウイルス等の保有状況について [77KB]
野生鳥獣の病原体保有状況調査の結果について [95KB]
E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A (一部抜粋)
Q1 日本ではシカ肉は食用として流通しているのですか?
A1
日本に生息する野生のシカは、狩猟や有害鳥獣駆除によって全国で年間約10万頭捕獲されています。捕獲されたシカは食肉処理業者によって解体処理され、食肉として流通しています。年間300〜400トン程の消費があると言われており、うち国産は200〜300トンであると推定されます。
(※2010年度の捕獲頭数は約35万頭)
Q2 2003年8月に報告された野生のシカ肉の刺身を食べてE型肝炎を発症した事例は、シカ肉の刺身の摂食が直接の原因になったのですか?
A2
本事例は、特定のシカ肉を生で食べた4名が6〜7週間後にE型肝炎を発症し、患者から検出されたHEVと一部保存されていたシカ肉から検出されたHEVの遺伝子配列が一致したこと、当該シカ肉を全く食べていないか、又はごく少量しか食べなかった患者家族はHEVに感染しなかったことが確認され、特定の食品の摂食とE型急性肝炎発症との直接的な関係が確認された最初の事例とされています。
Q3 シカやイノシシなど野生動物の肉等を生で食べても安全ですか?
A3
シカやイノシシなど野生動物の肉等は生で食べないようにしましょう。
HEVは妊婦や高齢者、HBVあるいはHCVの持続感染者に感染すると劇症肝炎を発症し、死亡する率が高いという研究結果があることから、妊婦及び高齢者は特に野生動物の肉等を生で食べることを避けるべきです。
野生動物が人獣共通感染症や食中毒の原因となる病原微生物、寄生虫類等を保有している可能性は、常に念頭におく必要があります。過去にも、野生動物の肉の生食は腸管出血性大腸菌感染症やトリヒナ症及び肺吸虫症等の原因となっています。これらの病原体は一般に通常の加熱によって死滅することが知られていることから、野生動物の肉等を食べる際には中心部まで火が通るよう十分に加熱を行うことにより感染を予防することができます。
なお、2003年に報告された事例は、シカ肉中から検出されたHEVの濃度が高いため、処理の過程で肝臓から汚染されたのではなく、シカ肉内に残留する血液中に含まれていたHEVが感染源となった可能性が高いと考えられます。
Q4 シカやイノシシ、豚以外の食肉は心配ないのですか?
A4
めん羊、山羊からもHEV抗体が検出されるとの報告がありますが、加熱調理を行うことによりHEVは感染性を失うため、中心部まで火が通るよう十分に加熱すれば食肉による感染の危険性はありません。
なお、厚生労働省では腸管出血性大腸菌食中毒予防の観点から若齢者、高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べさせないよう従来から注意喚起を行っています。
関連通知等
2003年08月01日掲載 | 生シカ肉を介するE型肝炎ウイルス食中毒事例について |
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E型肝炎の感染防止の観点から、野生鳥獣肉等の生食に対する注意喚起を行っています。 | |
2006年11月16日掲載 | 食肉を介するE型肝炎に関するQ&Aの改訂について |
シカ及びイノシシなどの野生鳥獣肉を安全に喫食する為の注意点を示しています。 | |
2009年06月18日掲載 | E型肝炎ウイルス感染事例について |
シカ肉を食べたことによってE型肝炎を発症した事例が認められたことから、野生鳥獣肉等の生食を避け、喫食する場合には十分に加熱するように周知することとしています。 | |
2016年12月23日掲載 | クマ肉による旋毛虫(トリヒナ)食中毒事案について [218KB] |
クマ肉を食べたことによって旋毛虫(トリヒナ)食中毒が発生したことから、十分加熱して喫食するように周知することとしています。 |
詳しい情報
E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A
食品安全委員会ファクトシート:ジビエを介した人獣共通感染症(食品安全委員会HP)
E型肝炎ウイルス(農林水産省作成HP)
野生鳥獣被害防止マニュアル−シカ、イノシシ(捕獲獣肉利活用編)−(農林水産省HP)
関連情報
食中毒に関する情報(厚生労働省)
「ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒」(政府広報)
食中毒予防 お肉はよく焼いて食べよう(YouTube動画配信)
食中毒予防のポイント(食品安全委員会HP)