[ 詳細報告 ]
分野名:ウィルス性食中毒
登録日:2017/04/04
最終更新日:2018/03/22
衛研名:新潟市衛生環境研究所
発生地域:新潟県新潟市
事例発生日:2016/11/21
事例終息日:2016/11/29
発生規模:
患者被害報告数:110名
死亡者数:0名
原因物質:ノロウイルス
キーワード:ノロウイルス、集団発生、感染症、給食
背景:
例年、冬期間はノロウイルス等を原因とする感染性胃腸炎が流行する傾向があり、学校や福祉施設などでは集団発生がみられる。
概要:
平成28年11月21日(月)、新潟市教育委員会保健給食課より、小学校の児童110名が下痢、嘔吐などの症状を呈し、学校を欠席しているとの連絡が入った。調査の結果、児童57名中48名からノロウイルス(GII)が検出されたが、給食の検食、従事した調理員の便、及び調理場のふきとりからはノロウイルスが検出されていないことから、本集団欠席事例は、給食が原因の食中毒とは断定されなかった。
原因究明:
欠席者の発症が11月20日及び21日に集中したことから、食中毒の可能性を視野に、11月16日から19日に提供された給食の検食及び調理従事者便の検査を行ったがいずれもノロウイルスは検出されなかった。なお、11月10日及び11日に調理に従事した栄養教諭よりノロウイルス(GII)が検出されたが、感染期間と考えられる11月17日から19日の間に調理室に入室していないこと及び当該栄養教諭が日常より児童らと頻回に交流していることから、栄養教諭も児童らと同一の要因によりノロウイルスの感染を受けた可能性があると判断した。
感染とその拡大の原因については、学校内で吐しゃ物があったこと、11月19日(土)の学習参観日の行事の際、児童が各教室や体育館に集まり、接触の機会があったことなどが考えられた。
診断:
地研の対応:
検査検体の内訳は以下の通り。
給食40検体(細菌40件、Noro15件)
ふき取り10検体(細菌+Noro)
児童検便57検体(細菌+Noro)
調理従事者(栄養教諭含む)検便8検体(細菌+Noro)
教師1名(細菌+Noro)
行政の対応:
新潟市教育委員会と新潟市保健所で連携を図り、調査を進めた。報道対応及び関係機関への注意喚起については、教育委員会が実施した。調査の結果、感染症と判断したため保健所の対応としては、感染防止のため施設の消毒等、拡大防止に努めた。保健所食中毒担当課では、児童を対象に感染症や食中毒予防のための適切な手洗いの普及促進を図ることを目的とした「小学生向け手洗い講習会」を開催した。
地研間の連携:
国及び国研等との連携:
事例の教訓・反省:
現在の状況:
今後の課題:
問題点:
食中毒調査を所管としない関係部署との意見や方針にずれがあること。(今回、給食が原因という情報が第一報で出たため、感染症という結果が後追いになってしまった。)
関連資料: