参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=VatZUoEHoOVdIb7HY
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
令和2年4月16日時点版
緊急事態宣言と政府の方針
問1 政府が4月7日に緊急事態宣言を出し、更に4月16日に対象地域を拡大したのはなぜですか。
問2 緊急事態では、何をすればいいですか。
問3 特定警戒都道府県である13都道府県と、それ以外の34都道府県の違いは何ですか。
問4 医療従事者へのハラスメントが起こっているのですか。
新型コロナウイルスについて
問1 「新型コロナウイルス」とはどのようなウイルスですか。
問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
問3 無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者)から感染しますか。
問4 新型コロナウイルスはペットから感染しますか。
問5 感染者の糞便から感染することがありますか。
問6 感染者が見つかった場所(外国、国内)から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか。
問7 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。
問8 これまで何人の方が退院され、そのような方にはどのような治療が行われたのですか。
問9 新型コロナウイルス感染症で治療を受けた場合、治癒したと判断されるのはどういう場合ですか。また、新型コロナウイルスに効く薬はまだないのに、どうして治癒するのでしょうか。
問10 アビガンという薬が新型コロナウイルス感染症に効くとの報道がありました。どこで処方してもらえますか。
新型コロナウイルス感染症の予防法
問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか。
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
問3 濃厚接触とはどのようなことでしょうか。
問4 「咳エチケット」とは何ですか。
問5 イベント等の開催について注意することはありますか。
問6 高齢者の多い社会福祉施設などでは、どのような感染対策を行っていますか。
マスク、トイレットペーパーに関するもの
問1 マスクが手に入りにくいですが、いつになったら手に入るようになりますか。
症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について
問1 熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか。
問2 発熱の継続はどのように確認すればいいですか。
問3 「帰国者・接触者相談センター」は何をするところですか。
問4 新型コロナウイルスへの感染が心配される場合、直に医療機関を受診しないように、複数の医療機関を受診することを控えるように、とされているのはなぜでしょうか。
問5 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。
問6 PCR検査の検査体制は増えていますか。「検査がしたくても、保健所で断られ、やってもらえない」との指摘があります。保険適用が始まるとどのように変わるのでしょうか。
問7 陽性になって入院した場合、どうなったら退院できますか。
問8 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。
問9 妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、どのような症状や胎児への影響がありますか。
問10 医療体制を堅持するための政府の考え方はどういうものですか。また、国民はどのような協力が必要ですか。
問11 緊急以外の手術の延期など、コロナウイルス以外の病気での受診にしわ寄せが生じているのではないですか。
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等の臨時休業等に関すること
問1 緊急事態宣言が出た後、学校の臨時休校はどのように行われることになるのでしょうか。
問2 臨時休校によって、子供たちの学びに遅れが生じてしまいましたが、学校再開後、これらの遅れを取り戻すことはできるのでしょうか。
問3 保育園・放課後児童クラブでも一斉臨時休園が行われるのですか。
問4 新型コロナウイルス感染症に起因して海外から一時帰国した児童生徒等に対して、帰国後の学校への受け入れ支援や、いじめ防止等に向けて、どのような取組が行われていますか。
問5 学習塾は、現状、どのような対応をしているのでしょうか。
緊急事態宣言と政府の方針
問1 政府が4月7日に緊急事態宣言を出し、更に4月16日に対象地域を拡大したのはなぜですか。
新型コロナウイルスが全国に感染を広げ、例えば、4月7日の時点で、東京都では感染者の累計が1,000人を超えるとともに、5日で2倍になるペースで感染者の増加が見られました。
また、感染経路が明らかにならない、いわゆる「孤発例」が増え、感染経路の特定も難しさを増しています。
このままでは、医療体制もひっ迫し、地域としての医療能力も低下し、患者が適切な医療を受けられず、それがまん延を呼ぶという悪循環のおそれもなしとしません。
こうした事態を遮断するために、感染者数、孤発例の多さ、その増加のテンポの速さなどを勘案し、新型インフルエンザ特別措置法(特措法)に基づき、政府は、4月7日に、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に対して緊急事態宣言を出しました。
その後、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6道府県も、これら7都府県と同程度にまん延が進んでいること、それ以外の県においても感染拡大の傾向が見られることから、国民の更なる行動変容を促すとともに、地域の流行を抑制し、特に大型連休期間(ゴールデンウィーク)における人の移動を最小化すること、を勘案し、4月16日に全都道府県を緊急事態措置の対象としました。(この7都府県及び6道府県は、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取り組みを進めていく必要がある都道府県として「特定警戒都道府県」と総称しています。)
これにより、全ての都道府県知事は、特措法に則り、それぞれの自治体において、必要な措置を発動できるようになりました。
それらの都道府県は、互いに隣接するなど、人々の活動や物の流通などが一体化している場合も多いこと、人々の活動の制約は最小限に、との特措法自体の基本的考え方があることなどにかんがみ、同法の運用は政府の総合調整のもとで行われることも必要です。
政府の基本的考え方は、専門家の知見に基づき、人々の接触を、新型コロナ発生以前に比べて最低7割、極力8割減らすことで、2週間後には感染者の増加を減少に転じさせる(ピークアウト)ことを目指しています。これに、実際に成果が確認できるまでの期間を含めて、緊急事態の期間を大型連休明けの5月6日までとしました。 政府や関係自治体は総力を挙げて対応しますが、国民お一人お一人の協力がなければ、感染拡大の抑え込み、それによる国民の健康の保全、医療体制の堅持はできません。皆さんのご協力をお願いします。
問2 緊急事態では、何をすればよいですか。
何よりも、自分自身への感染を防ぐこと、他の人に感染させないことです。
注意すべきは、通常のインフルエンザでは感染すると、発熱などの症状により感染を自覚し易いのですが、新型コロナウイルス感染症では多くの方が軽症で経過することが報告されています。特に若い世代は、症状が乏しいことが指摘されており、最近では、20歳・30歳代の方の感染者の方が高齢者より多くなっています。
具体的には、第一に、不要不急の外出を避けること。「外出しなくても良いことは家で済ます」、その典型例は職場に行かずにテレワークで済ますことです。また「今日明日にしなくても済むことは、先に延ばす」ことです。第二に、「3つの密」を避けることです。3つとは「換気の悪い密閉空間」、「多くの人が集まる密集場所」、「2m以内の距離で会話や共同行為をする密接場面」です。
【3つの密を避けるための手引き】https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html#c5
緊急事態宣言は、諸外国で見られる「ロックダウン(都市封鎖)」ではありません。医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い物、必要限度内での職場への出勤、屋外での運動や散歩の健康維持などのための外出まで、自粛の対象にはなりません。ですから、食料品などの買い占めのような行動は控え、落ち着いた対応をお願いします。
問3 特定警戒都道府県である13都道府県と、それ以外の34県の違いは何ですか。
緊急事態宣言の対象であるという点においては、全都道府県は、特措法にのっとり必要な措置を講ずることができる点で、共通しています。例えば、
・外出の自粛等についての協力要請
・施設の使用制限についての要請
・都道府県をまたいだ不要不急の移動の自粛要請
・(いわゆる「夜の街クラスター」が多数発生している)繁華街の接待を伴う飲食店等への外出自粛要請
・国民生活や国民経済の安定確保に不可欠な業務の継続要請
などが挙げられます。
この際、全都道府県の中でも、4月7日に対象地域となった7都府県や、この7都府県と同程度にまん延が進んでいる6道府県については、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要がある地域(「特定警戒都道府県」)としています。
なお、特定警戒都道府県以外の34県の中には、感染者が少ないものもあります。しかしながら、全国的な感染拡大の傾向、大型連休期間における人の移動の最小化といった目的に鑑みての対象地域拡大ですので、例えば、上述の5つの事例の中では、施設の使用制限の要請、国民生活等に不可欠な業務の継続要請、について、地域の状況を踏まえ、判断いただくこととしています。
問4 医療従事者へのハラスメントが起こっているのですか。
「新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている医療従事者の子どもたちが、保育所への通園を断られた」、「医療従事者が、タクシーへの乗車を拒まれた」、などといった心ない事例が紹介されています。
医師や看護師などの医療従事者は、感染防御を十分にした上で、患者の検査や治療、感染症のまん延を防止するなどといった、国民が望む仕事を行っています。正確でない情報により、医療従事者に対応することは慎むべきですし、場合によっては人権侵害になることもあります。
新型コロナウイルスについて
問1 「新型コロナウイルス」とは、どのようなウイルスですか。
「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」はコロナウイルスのひとつです。コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスが含まれます。
ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。
ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。
手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。手洗いの際は、指先、指の間、手首、手のしわ等に汚れが残りやすいといわれていますので、これらの部位は特に念入りに洗うことが重要です。また、流水と石けんでの手洗いができない時は、手指消毒用アルコールも同様に脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。
問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。
「飛沫感染」とは: 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。
「接触感染」とは: 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。
問3 無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者)から感染しますか。
通常、肺炎などを起こすウイルス感染症の場合、症状が最も強く現れる時期に、他者へウイルスを感染させる可能性も最も高くなります。一方で、無症候又は症状の明確でない者から感染が広がるおそれがあるとの専門家の指摘や研究結果もあります。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/about/transmission.html
したがって、人と人との距離をとること(Social distancing: 社会的距離)、外出の際のマスク着用、咳エチケット、石けんによる手洗い、アルコールによる手指消毒、換気といった一般的な感染症対策や、十分な睡眠をとる等の健康管理を心がけるとともに、地域における状況(緊急事態宣言が出されているかどうかやお住まいの自治体の出している情報を参考にしてください)も踏まえて、予防に取り組んでください(予防法のQAを参照ください)。
問4 新型コロナウイルスはペットから感染しますか。
外出自粛により家にいる時間が長くなることもありますが、これまでのところ、新型コロナウイルスがペットから人に感染した事例は見つかっていません。一般に、動物との過度な接触は控えるとともに、普段から動物に接触した後は、手洗いや手指消毒用アルコールで消毒などを行うようにしてください。
(参考)厚生労働省ホームページ:動物由来感染症
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index.html
問5 感染者の糞便から感染することがありますか。
これまで通り通常の手洗いや手指消毒用アルコールでの消毒などを行ってください。 また、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後のトイレは、急性の下痢症状などでトイレが汚れた場合には、次亜塩素酸ナトリウム(市販されている家庭用漂白剤等はこれにあたります、1,000ppm)、またはアルコール(70%)による清拭をすることを推奨します。
問6 感染者が見つかった場所(外国、国内)から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか。
現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという報告はありません。WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物での表面では長時間生き残ることができないとしています。
【WHOの情報】
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-coronaviruses
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public
【国立医薬品食品衛生研究所の情報】
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/2019-nCoVindex.html
問7 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。
新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路は飛沫感染と接触感染であると考えられています。2020年4月1日現在、食品(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む。)を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。
なお、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要があります(※)。食器についても同様で、清潔な取扱を含め十分お気をつけ下さい。
(※)接触感染は新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路の1つです。
コロナウイルスは熱(70度以上で一定時間)及びアルコール(70%以上、市販の手指消毒用アルコールはこれにあたります)に弱いことがわかっています。製造、流通、調理、販売、配膳等の各段階で、食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い、手指消毒用アルコール等による手指の消毒、咳エチケットなど、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はありません。WHOからの一般的な注意として「生あるいは加熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避けること、それらの取り扱い・調理の際には注意すること」とされています。
問8 これまで何人の方が退院され、そのような方にはどのような治療が行われたのですか。
国内で発症した方、空港検疫又はチャーター便で帰国された方で、症状があって入院した7,080名並びに症状がないが陽性の方581名のうち、901名、クルーズ船から下船された方で陽性であった方712名のうち645名の、合計1,500名を超える方が退院しています(4月15日12時時点)。
この新型コロナウイルスそのものに効く抗ウイルス薬はまだ確立していませんが、これら退院された方々は、ウイルスによる熱や咳などの症状の緩和を目指す治療(対症療法)をうけました。具体的には、解熱剤や鎮咳(ちんがい)薬の投与や、点滴等が実施されています。また、肺炎を起こした場合は、酸素投与や人工呼吸等を行うこともあります。
問9 新型コロナウイルス感染症で治療を受けた場合、治癒したと判断されるのはどういう場合ですか。また、新型コロナウイルスに効く薬はまだないのに、どうして治癒するのでしょうか。
発熱や咳等の呼吸器症状が消失し、鼻腔や気管などからウイルスを検出できなくなった状況を「治癒した」と判断しています。
また、この新型コロナウイルスそのものに効く抗ウイルス薬はまだ確立しておらず、ウイルスが上気道や肺で増えることで生じる発熱や咳などの症状を緩和する目的の治療(対症療法)として、解熱剤や鎮咳薬の投与や、点滴等が実施されています。対症療法により、全身状態をサポートすることで、この間ウイルスに対する抗体が作られるようになり、ウイルスが排除されて治癒に至ると考えられます。
問10 アビガンという薬が新型コロナウイルス感染症に効くとの報道がありました。どこで処方してもらえますか。
現在、新型コロナウイルスに感染した場合の治療薬がないため、今般の緊急経済対策においても、治療薬の開発は最重要項目のひとつとなっています。これまでに存在している既存の薬を新型コロナウイルスの治療に応用できる可能性があり、複数の薬についてその治療効果や安全性を検証するための臨床研究が行われています。そのひとつとして「アビガン(一般名:ファビピラビル)」があります。
アビガンはもともと、一般的なタミフル等の薬が無効であるような新型インフルエンザの流行に備えて国が備蓄するために承認された薬であり、一般には流通していません。ウイルスの増殖を抑える作用があるといわれており、新型コロナウイルスにも効果がある可能性があります。
一方で、アビガンには副作用として催奇形性(女性・男性ともに、内服した際に胎児に悪影響を及ぼす可能性がある)等が明らかになっており、現在、多施設共同で臨床研究や治験を行い有効性や安全性の検証を進めています。臨床研究に参加登録を行った医療機関において、医師の判断のもと、研究への参加に患者が同意した場合にアビガンを使用することができ、4月2日までに約120件の投与が行われています。
新型コロナウイルス感染症の予防法
問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか。
感染を予防するためには、基本的な感染予防の実施や不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けること等が重要です。
これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていない一方で、一定の条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に、1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
【3つの密を避けるための手引き】
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html#c5
また、これ以外の場であっても、人混みや近距離での会話、特に大きな声を出すことや歌うことにはリスクが存在すると考えられています。激しい呼気や大きな声を伴う運動についても感染リスクがある可能性が指摘されています。多くの場合、ライブハウス、スポーツジム、医療機関、さらに最近になって繁華街の接待を伴う飲食店等におけるクラスターでの感染拡大が指摘されています。
なお、本年4月から、望まない受動喫煙を防止するための改正健康増進法が全面施行され、原則屋内禁煙となっています。事業者は、屋外喫煙所や屋内の喫煙専用室を設けることも可能ですが、これらの場所では距離が近づかざるを得ない場合があるため、会話や、携帯電話による通話を慎むようお願いします。
注)詳しくは こちら(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html)
新型コロナウイルス感染症は、一般的な状況における感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染ですが、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。また、無症状の者からの感染の可能性も指摘されており、油断は禁物です。
人と人との距離をとること(Social distancing; 社会的距離)、外出時はマスクを着用する、家の中でも咳エチケットを心がける、さらに家やオフィスの換気を十分にする、十分な睡眠などで自己の健康管理をしっかりすることで、自己のみならず、他人への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することが必要です。
これらの状況を踏まえ、「3つの密」の回避、マスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒の励行などをお願いします。
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
ご本人は外出を避けてください。ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにしてください。
ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、同居されているご家族は以下の8点にご注意ください(詳しくは、一般社団法人日本環境感染症学会とりまとめをご参照ください。)。
1.部屋を分けましょう
個室にしましょう。食事や寝るときも別室としてください。
子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。寝るときは頭の位置を互い違いになるようにしましょう。
2.感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で。
心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのは避けてください。
3.マスクをつけましょう
使用したマスクは他の部屋に持ち出さないでください。
マスクの表面には触れないようにしてください。マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。 マスクが汚れたときは、新しい清潔な乾燥マスクと交換してください。マスクがないときなどに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆いましょう。
4.こまめに手を洗いましょう こまめに石鹸で手を洗いましょう。アルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。
5.換気をしましょう
風の流れができるよう、2方向の窓を、1回、数分間程度、全開にしましょう。換気回数は毎時2回以上確保しましょう。
6.手で触れる共有部分を消毒しましょう
物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしましょう。 ※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)になるように調整してください。 トイレや洗面所は、通常の家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒しましょう。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません。 洗浄前のものを共有しないようにしてください。特にタオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共有しないように注意してください。
7.汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。 ※糞便からウイルスが検出されることがあります。
8.ゴミは密閉して捨てましょう
鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。
(参考) 一般社団法人日本環境感染学会ホームページ (//h-crisis.niph.go.jp/wp-content/uploads/2020/04/20200417104743_uploads_uploads_files_jsipc_dokyokazoku-chuijikou.pdf)
問3 濃厚接触とはどのようなことでしょうか。
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(2m程度)で一定時間以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離で2m程度)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意見は こちらをご覧ください。
問4 「咳エチケット」とは何ですか。
咳エチケットとは、感染症を他者にうつさせないために、咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえることです。
対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離でおよそ2mとされています)が、一定時間以上、多くの人々との間で交わされる環境は、リスクが高いです。感染しやすい環境に行くことを避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。
詳しくは、厚生労働省のホームページの こちらをご覧ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
問5 イベント等の開催について注意することはありますか。
緊急事態宣言(4月7日から5月6日まで)の発出を受け、国民の皆様に極力8割、人と人との接触を削減するとの目標の下、不要不急の外出を自粛いただいています。 そして、イベント等の開催場所に想定される、密閉、密集、密接の「3つの密」がより濃厚な形で重なるバー、ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスはもとより、繁華街の接待を伴う飲食店等については、その出入りを控えて頂くよう強く要請しています。
問6 高齢者の多い社会福祉施設などでは、どのような感染対策を行っていますか。
新型コロナウイルスについては、高齢者と基礎疾患がある方については重症化しやすいため、高齢者介護施設等においては、ウイルスを持ち込まない、拡げないことに留意し、感染経路を絶つことが重要です。このため、施設等の指定・監督権限を持つ各自治体や関係団体を通じて、全国の施設等に対して対策の留意点などを示して感染対策の徹底を図っています。
具体的には、各施設等において、厚生労働省が示した感染対策マニュアル等に基づき、高齢者や職員、さらには面会者や委託業者等へのマスクの着用を含む咳エチケットや手洗い・手指消毒用アルコールによる消毒等、サービス提供時におけるマスクやエプロン、手袋の着用、食事介助の前の手洗いや清潔な食器での提供の徹底等、感染経路を遮断するための取組を要請しています。
また、社会福祉施設等において、職員・利用者の集団感染が発生する中で、専門家の意見も踏まえながら、ウイルスを外部から持ち込まないために、
・職員は、出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が見られる場合には出勤を行わないことを徹底すること、また、職場外でも、「3つの密」を避ける対応を徹底すること
・面会についても、緊急やむを得ない場合を除き、制限すること。面会を行う場合でも、体温を計測し、発熱が認められる場合には面会を断ること
・委託業者等についても、物品の受け渡しは玄関など施設に限られた場所で行い、立ち入る場合には、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には立ち入りを断ること
ウイルスを拡げないために、
・リハビリテーション等を行う場合には、同じ時間帯・同じ場所での実施人数を減らすこと、換気を行うこと、声を出す機会を最小限にすること、共有物について消毒を行うこと
・感染や感染が疑われる職員や利用者が発生した場合に、居室や共用スペースの消毒を徹底することや、それらの者と濃厚接触が疑われる者について、特定の職員により個室で対応すること
などの取組も要請しています。
マスク、トイレットペーパーに関するもの
問1 マスクが手に入りにくいですが、いつになったら手に入るようになりますか。
マスクは、国内メーカーには増産を働きかけ、輸入量も増やすことで、今月(4月)は、3月より多い7億枚を超えるマスクの確保を見込んでいます。
具体的には、国内メーカーは、24時間体制で、通常の3倍の増産を継続しているほか、生産設備補助金を活用して、更なる増産に取り組んでいます。
このように、供給確保に取り組んでいますが、様々な方々から不足しているとの声をいただいています。
このため、更なる生産の増強や輸入品の確保を行いながら、まずはマスクを必要とする医療機関や介護施設等に届けつつ、国民の皆様にも幅広く行きわたるよう、取り組んでまいりますので、ご不便をおかけしますが、ご理解をお願いいたします。
【医療機関向けマスクの配布】
医療機関については、通常の流通では確保が困難な場合があることから、政府からマスクメーカーへの増産要請に加えて、2月25日、厚生労働省の指示の下、メーカーと卸業者が協力して、医療機関の必要度に応じて、一定量の医療用マスクを感染症指定医療機関に対して優先的に供給する仕組みを開始し、3月23日までに227万枚のサージカルマスクを配布しています。
マスクに加えて、医療用のガウン、フェイスシールドなどの防護具については、2月10日以降、一般の医療機関も含めて、各都道府県の実情に応じて、各都道府県の備蓄分をマスクなどの在庫が不足する医療機関に放出いただいています。
また、防衛省の100万枚をはじめ、各省庁が保有していたマスク約250万枚や、国が自ら確保したマスク(4月14日時点で約4,500万枚)を活用し、一般の医療機関も含め、医師会や歯科医師会のルートも活用し、3月17日以降、順次、マスクの必要性の高い感染症指定医療機関や重症患者が入院する病院などへの優先配布を進めています。
さらに、緊急事態宣言が発出された7都府県に対して、4月中に1.サージカルマスクを約1,000万枚、2.医療用ガウン及びフェイスシールドを、それぞれ約100万枚、3.N95マスク又はKN95マスクを約77万枚、配布いたします。
【布製マスクの配布】
2月21日以降、介護施設等については、都道府県の備蓄を放出するよう要請するとともに、何度でも再利用可能な布製マスクを2,000万枚以上、国が一括して購入し、全国の介護施設や障害者施設、保育所、学童保育等に対し、1人1枚は行き渡るよう、3月12日から順次配布を行っています。
全国の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・高等専修学校等の児童・生徒、教職員に対しては、1,500万枚の布製マスクを確保して、4月13日から、1人2枚配布を行っています。
また、妊婦の方々に対しても布マスクをお届けすべく、4月半ば以降、まず50万枚を市町村に発送します。これらは、子育て世代包括支援センター・保健センター等において、母子健康手帳交付時等に、妊婦一人につき原則月2枚、配布する予定です。
さらに、今般、更に1億枚程度の布製マスクの確保の見通しが立ったことから、全世帯を対象に、4月17日以降、一住所あたり2枚ずつ布製マスクを東京から順次配布します。この布製マスク1億枚が、仮に、洗濯をしながら平均20回ずつ使われたとすれば、使い捨てマスク20億枚分の消費を抑制できることになると考えられ、これは平時のマスク需要の4~5ヶ月分に相当するものです。
【転売の禁止】
3月15日以降、小売事業者などから購入したマスクを、購入価格を超える価格で譲渡することが国民生活緊急安定措置法により禁止されており、違反した場合には、罰則の対象になります。あわせて、不要不急の買いだめを控えていただくよう、ご理解・ご協力をお願いします。
(参考) マスク転売規制についてのQ&A(PDF形式:748KB)
(※) マスクの生産・輸入・販売の状況、一般家庭用マスクの自治体への配布状況は、経済産業省ホームページ(https://www.meti.go.jp/covid-19/mask.html)にて、逐次発信していますので、そちらもご覧ください。
症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について
問1 熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか。
発熱などのかぜ症状がある場合は、仕事や学校を休んでいただき、外出は控えてください。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。
咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケットを行ってください。
発熱などのかぜ症状について、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気による場合が圧倒的に多い状況です。風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等にご相談ください。
新型コロナウイルスへの感染のご心配に限っては、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください(問3参照)。特に、2月17日に「相談・受診の目安」として公表しました以下の条件に当てはまる方は、同センターにご相談ください。
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方:
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日程度続く場合
・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
問2 発熱の継続はどのように確認すればいいですか。
発熱は、感染症や腫瘍、炎症などにより起こります。一般に、37.5度以上の場合は、発熱とみなします。発熱が認められる場合は、毎日体温を測定し、体温と時間を記録してください。
問3 「帰国者・接触者相談センター」は何をするところですか。
「帰国者・接触者相談センター」では、皆さまから電話での相談を受けて感染が疑われると判断した場合には、帰国者・接触者外来へ確実に受診していただけるよう調整します。その場合には、同センターより勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することは控えてください。
同センターで、感染の疑いがないと判断された場合でも、これまで同様かかりつけ医を受診していただけます。その場合、肺炎症状を呈するなど、診察した医師が必要と認める場合には、再度同センターと相談の上、受診を勧められた医療機関でコロナウイルスのPCR検査を受けていただきます。
同センターはすべての都道府県に設置され、24時間対応していますので、詳しくは、下記のホームページをご覧ください。
帰国者・接触者相談センターページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html)
問4 新型コロナウイルスへの感染が心配される場合、直に医療機関を受診しないように、複数の医療機関を受診することを控えるように、とされているのはなぜでしょうか。
まず、風邪の症状や発熱、だるさ、息苦しさなどの症状があっても、現時点ではインフルエンザ等の新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況です。風邪やインフルエンザ等の心配がある場合には、これまでと同様、かかりつけ医等にご相談ください。
一方で、「帰国者・接触者相談センター」でご案内する「帰国者・接触者外来」には、新型コロナウイルス感染症が疑われる方が受診されますので、感染への不安から、適切な相談をせずに、これらの外来を設置している医療機関を受診することは、皆さんがコロナウイルス感染症でなかった場合に、かえって感染するリスクを招くことになります。
また、新型コロナウイルスへの感染の心配に限っては、まず同センターにご相談下さい。ここで紹介する「帰国者・接触者外来」を設置している医療機関は公開していません。これは、2009年の新型インフルエンザ流行の際に、一部の府県で特定の医療機関の外来に受診者が殺到して、急を要する方に対する対応に時間を要した等の経験があるからです。急を要する方(例えば、集中治療を要する重症者)を優先的に受け入れられるようにするための必要な対応ですので、ご理解をお願い致します。
問5 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。
新型コロナウイルス感染症が拡大していることに鑑みた時限的・特例的な対応として、 初診も含め、医師の判断で電話やオンラインにより診断や処方を受けられることとなりました。
このため、電話やオンラインによる診断や処方を受けたい場合は、まずは、普段からかかっているかかりつけ医等にご相談ください。
かかりつけ医等をお持ちでない方は、下記のホームページに電話やオンラインによる診療を行う医療機関のリストを掲載することとしているので、 掲載されている最寄りの医療機関にご連絡ください。 ( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00014.html)
ただし、電話やオンラインによる診療に適していない症状や状態の場合は、医師の判断で診断や処方は行わず、医療機関における対面の診療を勧めることがあります。
問6 PCR検査の検査体制は増えていますか。「検査がしたくても、保健所で断られ、やってもらえない」との指摘があります。保険適用が始まるとどのように変わるのでしょうか。
かかりつけ医など、身近にいる医師が必要と考える場合には、患者を帰国者・接触者外来へ紹介し、医師の判断を踏まえ、検査を行うこととなります。医師が必要と判断したすべての方がPCR検査を受けることができるよう、かかりつけ医が患者を帰国者・接触者外来へ直接紹介することが可能になっている他、保健所を介する場合でもスムーズに紹介がされるよう促しています。
また、感染が疑われる方が検査を受けやすいように、PCR検査の医療保険適用を始めました。「帰国者・接触者相談センター」(24時間対応)から紹介された帰国者・接触者外来で検査が必要とされたときは、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接、検査依頼を行うことが可能となりました。
現在、国立感染症研究所・検疫所に加え、地方衛生研究所、民間検査会社や大学などの協力を得ながら、1日約12,000件の検査能力を確保しており、今後20,000件を目指しています。地域の検査能力に限界があるために断られるということがないよう、検査体制の広域的な融通を図り、必要な検査が各地域で確実に実施できるよう、厚生労働省がこれまでにも増して緊密に仲介します。
今後、患者が増加した際も、医師が必要と判断した方が、PCR検査を確実に受けることができるよう、感染拡大防止策が適切にとられた上で、迅速かつ適切に検体の採取が行われるような体制の拡充が重要です。帰国者・接触者外来の検査能力の向上とともに、いわゆるドライブスルー方式についての本格実施についてもそういった点に留意しながら検討していきます。
問7 陽性になって入院した場合、どうなったら退院できますか。
検査で陽性が確認され、入院した場合は、退院基準を満たせば退院が可能です。具体的には、発熱等の症状が軽快してから、24時間後にPCR検査を実施(1回目)し、陰性が確認されたら、1回目の検体採取後24時間後に再度PCR検査を行い(2回目)、2回連続で陰性が確認されたら、退院が可能です。これまで、国内で発症した事例、空港検疫又はチャーター便で帰国された方で陽性であった方884名(チャーター便で帰国された方は15名陽性でしたが全員退院済みです)、クルーズ船から下船された方で陽性であった方672名、合計1,500名を超える方が退院しています(4月15日12時現在)。
退院後、まれな事例として、再度新型コロナウイルス陽性となる方が数例確認されています。そのため、退院後4週間は、健康状態を毎日確認していただき、咳や発熱などの症状が出た場合は、速やかに帰国者・接触者相談センターに連絡して、その指示に従い、必要に応じて医療機関を受診してください。
問8 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。
新型コロナウイルスに感染した人は、軽症であった方、治癒する方も多いです。国内の症例では、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさを訴える方が多いようです。
新型コロナウイルスによる肺炎が重篤化した場合は、人工呼吸器など集中治療を要し、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)を有する方では、重症化するリスクが高いと考えられています。
国内での発生事例と武漢からのチャーター便帰国者事例を合わせると、PCR検査陽性の方で症状のあった7,080人のうち、重症(人工呼吸器等を必要とした又は集中治療室に入院した)である方は、約2.4%でした(4月15日現在)。
なお、中国疾病対策センター(中国CDC)によると、2月11日までに中国で新型コロナウイルス感染症と診断された約44,000人のデータによると、息苦しさ(呼吸困難)などを認めない軽症例が80%以上と多くを占めており、呼吸困難が生じる重症や呼吸不全に至る重篤例は20%未満に過ぎないと報告されています。
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51?from=timeline&isappinstalled=0
(参考)国立国際医療研究センターからの症例報告 当院における新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症患者3例の報告
問9 妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、どのような症状や胎児への影響がありますか。
現時点では、妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない方と変わらないとされています。胎児のウイルス感染症例が海外で報告されていますが、胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告はありません。したがって、妊娠中でも過度な心配はいりません。
しかしながら、一般的に、妊娠中に肺炎を起こした場合、妊娠していない時に比べて重症化しやすいという意見もあります。そのため、妊婦の方には重症化しやすい方と同じような対応をお願いいたします。具体的には、日頃の感染予防に積極的に取り組むとともに、
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合 には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
帰国者・接触者相談センターページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html)
また、妊娠中の女性労働者が休みやすい環境の整備などについて、各企業における取組が促進されるよう、経済団体や労働団体へ要請を行っています。
妊婦の方々などに向けた情報につきましては、こちらも参考にしてください。
妊婦の方々などに向けた新型コロナウイルス感染症対策(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10653.html)
日本産婦人科感染症学会:インフォメーション一覧(http://jsidog.kenkyuukai.jp/information/index.asp?)
問10 医療体制を堅持するための政府の考え方はどういうものですか。また、国民はどのような協力が必要ですか。
医療提供体制の堅持は、国民が健康なくらし・活動を行う上で、必須の基盤です。医師や看護師など医療に従事する皆さんには、今回の新型コロナウイルス対策でも、昼夜を問わず、献身的に最前線で働いていただいております。諸外国の新型コロナウイルスによる死者数をみても、人口10万人当たりで、我が国は現時点で他の先進国に比べて、1桁も2桁も少ない水準です。
しかし、日本国内で感染者は、日々、増加しており、医療提供体制の整備が急務となっています。限られた人数の医療従事者の方々が必要な医療を患者に提供できるように、各地の医師会、看護協会等の協力を頂きながら、以下のことに留意しています。
(1) 重症者の方の治療を重視します。病院内のベッドも重症者に重点化するために、軽症者は自宅で療養いただいたり、都道府県が準備した宿泊施設で療養いただいたりすることで、治療に使えるベッドを増やし始めています。この過程で、一部のホテル事業者のご厚意を頂けました。
(2) 医療従事者は、院内感染のリスクも負って従事しています。院内感染が発生すると、その病院の医療提供体制が毀損され、医療従事者だけでなく国民全体の損失となります。そうした心配をすることなく、医療従事者が安全に医療を提供できるよう、医療施設には、マスク、ガウンなどの用品を十分に確保しなければなりません。治療に要する人工呼吸器などの設備の増強に加え、検査や機器の取扱に従事する人材を確保するため、退職者の職場復帰のお願いや講習会等も進めています。
(3) 治療薬の開発や実用化の準備を進めます。新型コロナウイルス感染で多くの人々を不安にしているのは治療薬がないことです。4月7日に閣議決定した緊急対策でも、治療薬の開発を第一項目にし、補正予算案でもこの点を重視しています。また、G7諸国でも治療薬やワクチンの開発の協力を首脳の間で合意しました。 ワクチンに比べ、治療薬はより早い開発が期待できます。我が国では、例えば、新型インフルエンザに備えて備蓄をしているアビガンについて、有効性や安全性を確認するための研究として、患者の同意を前提に、医師によるアビガンの投与が始まっています。
注)アビガンについて、詳しくは【新型コロナウイルスについて】問10を見てください。
問11 緊急以外の手術の延期など、コロナウイルス以外の病気での受診にしわ寄せが生じているのではないですか。
新型コロナウイルス感染症が感染拡大する中で、重症者等への対応を中心とした医療提供体制の確保は、優先的要請です。
新型コロナウイルス感染症患者の受入れを行うための病床確保等の観点から、医師の判断により延期が可能と考えられる予定手術及び予定入院について検討いただくようお願いしており、個々のケースについては、患者の皆さんは担当医師にご相談のうえ、その所見を踏まえご判断いただくようお願いいたします。
言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者に対しても十分な医療を提供する体制を維持することは必要です。医師や看護師等の医療従事者数や病床数といった地域の医療資源の全体像を踏まえて、今、医療が必要な方に確実に医療を届けるために、都道府県に対して地域全体の医療機能をバランスよく維持するための調整を行うよう、依頼しています。
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等の臨時休業等に関すること
問1 緊急事態宣言が出た後、学校の臨時休校はどのように行われることになるのでしょうか。
4月7日に、政府による緊急事態宣言が発出され、5月6日までの1カ月間、緊急事態措置を実施すべき地域として埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・大阪府・兵庫県及び福岡県が指定されました。このことを受けて、文部科学省では、上記都府県の知事から学校施設の使用制限等の要請を受けて、学校を臨時休業する際には、
1. 分散登校等の工夫も行い、必要な登校日を設けること、
2.教職員は自身の健康にも配慮しつつ、在宅勤務や時差出勤等の工夫に努めながら業務を継続すること、
3. 臨時休業中、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な場合や、障害があり一人で過ごすことが難しい場合等には、子供の居場所の確保に向けて取り組むこと、
4.子供たちの健康保持の観点から、密閉空間・密集場所・密接場面の「3つの密」を避けつつ(※)、学校の校庭や体育館等の施設の開放も検討すること、 などをガイドラインにおいて示しました。
(※)【3つの密を避けるための手引き】https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html#c5
その後、4月16日に、対象地域が全都道府県に拡大されるとともに、上記7都府県に加えて北海道・茨城県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府の計13都道府県については、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要がある地域とされることになりました。
今後、市区町村や学校法人といった学校の設置者は、都道府県知事から学校施設の使用制限等の要請を受けて、学校を臨時休業する際には、上記ガイドラインを踏まえて、適切に対応していくことになります。
さらに、新型コロナウイルス感染症に伴ういじめ、偏見、ストレス等に対しては、「24 時間子供SOSダイヤル」といった相談窓口を活用するとともに、養護教諭やスクールカウンセラー等による支援を行うなど、子供たちの心のケア等に配慮することとしています。
このように、学校の臨時休業や再開についてご不明な点や質問、お困りのことがあった時には、以下の相談窓口にお問い合せ下さい。
【参考】 新型コロナウイルスに関連した文部科学省関係の相談窓口(文部科学省ホームページ) (https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00602.html)
学校再開・臨時休校に関するQ&A(子供たち、保護者、一般の方へ)(文部科学省ホームページ)(https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00003.html)
問2 臨時休校によって、子供たちの学びに遅れが生じてしまいましたが、学校再開後、これらの遅れを取り戻すことはできるのでしょうか。
臨時休業に伴う学習の遅れを取り戻せるよう、各学校において、工夫して遅れを補うような授業や補習が行われるように、文部科学省から各教育委員会に対して依頼しています。
この4月以降、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、地域によっては学校の臨時休業に取り組まざるを得ない中、子供たちの学びに著しい遅れが生じないよう、文部科学省としては、臨時休業を行う場合は、教師のサポートと併せて、学校が主体となって家庭学習を課すこととした上で、各教科等の家庭学習で考えられる工夫や教材例をお示ししたり、自宅等で活用できる教材や動画等を紹介する「子供の学び応援サイト」(※)を開設したり、家庭学習の際に参考となるよう支援をしています。
あわせて、その際には、
・ IT端末を活用した児童生徒との課題のやりとりや、
・ 教科ごとの授業動画の公開 など、地方自治体で子供たちの学習支援のための様々な工夫を行っており、そうした取組を広くお知らせしているところです。
なお、文部科学省からは、子供たちの各学年の課程の修了又は卒業の認定を弾力的に行い、その進級や進学等に不利益が生じないよう配慮することを、引き続き、教育委員会や学校にお願いしています。
【参考】
(※)「子供の学び応援サイト」(文部科学省ホームページ)
(https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/index_00001.htm)
問3 保育園・放課後児童クラブでも一斉臨時休園が行われるのですか。
保育園等については、原則として開所していただいています。
ただし、仕事を休んで家にいることが可能な保護者に対して、園児の登園を控えることを含めて、保育等の提供を縮小して開所することを検討するよう、市区町村にお願いしています。
また、園児や職員が罹患した場合や地域で感染が著しく拡大している場合で保育等の提供を縮小して実施することも困難なときは、自治体の判断で臨時休園を行うことがあります。
この場合においても、医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な方、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な方の子ども等に必要な保育等が提供されるよう、市区町村に検討をお願いしています。
問4 新型コロナウイルス感染症に起因して海外から一時帰国した児童生徒等に対して、帰国後の学校への受け入れ支援や、いじめ防止等に向けて、どのような取組が行われていますか。
新型コロナウイルス感染症に起因して海外から一時帰国した児童生徒等に対して、学習機会の確保をはじめとした教育支援を行うことは、重要な課題と考えています。このため、帰国後居住した地域にある学校への入学希望や、受け入れ後の手続き等で質問やお困りの場合には、まずは、以下の窓口にお問い合わせ下さい。
学校の種類 | 問い合わせ窓口 |
公立の学校 (幼稚園・小中学校・高校・特別支援学校 等) |
現在居住している 都道府県/市区町村の教育委員会 (就学事務担当) |
国立、私立の学校 | 当該学校の事務室 |
さらに、海外からの急な帰国による一時受け入れや転校等で、様々な問題が生じた場合には、児童生徒等や保護者はもとより、受け入れ側の学校教職員の相談にも対応できるよう、文部科学省及び海外子女教育振興財団において教育相談員を設置し、より専門的な知見に基づいたサポートを行っていますので、ご活用下さい。
(文部科学省総合教育政策局教育改革・国際課 教育相談員)
受付時間:月~金(土日祝を除く)9:30~18:15
専用ダイヤル 電話番号 (海外から) +81-3-6734-3562
(国内から) 03-6734-3562
(公益財団法人 海外子女教育振興財団 問い合わせ先)
受付時間帯 : 月~金(土日祝を除く) 10:00~17:00
専用ダイヤル: (海外から)+81-3-4330-1351
(国内から)03-4330-1351
新型コロナウイルス感染症を理由とした、児童生徒等に対する「いじめ」や「偏見」は許されるものではありません。
このため、文部科学省としては、学校や教育委員会に対し、いじめ防止対策推進法や「いじめの防止等のための基本的な方針」等に基づき、児童生徒等や保護者に寄り添って適切に対応するよう周知徹底を行っていますが、2月7日に、萩生田文部科学大臣からメッセージを公表し、
1.正しい知識に基づいて冷静に行動すること
2. このため正確な情報を収集・把握すること
3.いじめや偏見は決して許されることではなく適切な対応をとっていただくこと
をお願いするため、文部科学省ホームページの特設サイトに掲載するとともに、SNS等で発信しています。学校における日々の指導や注意を促すための情報共有等に幅広くご活用下さい。
また、3月26日に、改めて新型コロナウイルス感染症に起因して海外から帰国した児童生徒等への対応について、教育委員会等に通知を発出し、新型コロナウイルス感染症を理由とした偏見が生じないようにするなど、児童生徒等の人権に十分配慮することを改めて示しています。
(参考)文部科学省新型コロナウイルス特設ホームページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html
問5 学習塾は、現状、どのような対応をしているのでしょうか。
経済産業省から、2月27日に、複数の業界団体を通じ、1.大人数での対面での授業など感染拡大のおそれがある取組の自粛、2.授業の振替対応、3.オンライン授業への切替えなどの工夫を要請したところです。
これを踏まえて、2月28日に、全国学習塾協会等から、対面での授業等を控えること、授業の振替、オンライン学習の実施等の方針が示され、各企業の判断で、休校やオンライン授業への切替、衛生管理の徹底等の取組が進められています。
さらに、緊急事態宣言が公示されたことを受け、4月10日に、経済産業省から、業界団体に対し、1.各都道府県の要請への迅速かつ適切な対応、2.最大限オンライン授業への転換の取組、等の要請を行ったところです。
各学習塾の対応状況については、各社ホームページをご確認ください。