参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=k2t__pEf5IObKEcBY
健康・医療
ファイザー社の新型コロナワクチンについて
特徴
本剤を接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。
接種回数と接種間隔
・1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず同じワクチン接種を受けてください。
有効性について
ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないということが分かっています。(発症予防効果は約95%と報告されています。)
なお、本ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています。現時点では感染予防効果は明らかになっていません。ワクチン接種にかかわらず、適切な感染防止策を行う必要があります。臨床試験の概要については、 「さらに詳しい情報」をご覧ください。
安全性について
また、まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります。
なお、本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります。接種後に気になる症状を認めた場合は、接種医あるいはかかりつけ医に相談しましょう。
万が一、ワクチンの接種によって健康被害が生じた場合には、国による 予防接種健康被害救済制度がありますので、お住まいの各自治体にご相談ください。臨床試験の概要については、 「さらに詳しい情報」をご覧ください。
予防接種を受けることができない人、注意が必要な人
下記にあてはまる方は、本ワクチンの接種ができない、または接種に注意が必要です。
当てはまるかどうかや、ワクチンを受けて良いか、ご不明な方は、その病気を診てもらっている主治医にご相談ください。
また、当てはまると思われる方は、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。
受けることができない人
・明らかに発熱している人(※1)
・重い急性疾患にかかっている人
・本ワクチンの成分に対し過敏症(※2)の既往歴のある人
・上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人
(※1)明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。
(※2)アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。
注意が必要な人
・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
・過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
・過去にけいれんを起こしたことがある人
・本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人
妊娠中、又は妊娠している可能性がある人、授乳されている人は、接種前の診察時に必ず医師へ伝えてください。
※本ワクチンの成分
▷有効成分
・トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA
▷添加物
・ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
・ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
・DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
・コレステロール
・塩化カリウム
・リン酸二水素カリウム
・塩化ナトリウム
・リン酸水素ナトリウム二水和物
・精製白糖
接種当日の注意事項
・ワクチンは、通常、三角筋(上腕の筋肉)に接種するため、肩の出しやすい服装でお越しください。・接種を受けるための手続きや場所などについては、 「接種についてのお知らせ」又は 「医療従事者等の接種について」をご覧ください。
ワクチンを受けた後の注意点
・注射した部分は清潔に保つようにし、接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部分はこすらないようにしてください。
・当日の激しい運動は控えてください。
さらに詳しい情報
有効性について(臨床試験の概要)
▷海外における臨床試験
海外6カ国(米国、ドイツ、トルコ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ)において実施されました。ワクチンを接種する人とプラセボ(生理食塩水)を接種する人に分け、約3週間の間隔で2回接種した時、新型コロナウイルス感染症の発症がどの程度抑制されるか比較されました。なお、発症の確認に当たっては、発熱や咳、息切れ等、感染が疑われる症状が1つ以上あり、PCR等の核酸増幅検査で陽性となった人を、新型コロナウイルス感染症が発症した人と定義されました。 約4万人の被験者を対象に、2回目の接種後7日以降の発症の有無が比較されました。その結果、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない場合で95.0%のワクチン有効率が確認され、感染歴の有無を問わない場合でも94.6%のワクチン有効率が確認されました。
(※)総追跡期間(1,000人年):人年とは解析対象者毎の追跡期間(観察期間)(年)を合計した数値。
▷国内における臨床試験
日本人の健康成人160人を対象に、ワクチンを接種する人とプラセボを接種する人に分け、約3週間の間隔で2回接種しました。その後、2回目の接種から1カ月後の、血液中の新型コロナウイルスに対する中和抗体の増加状況を確認しました。なお、中和抗体とはウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体のことです。2回目接種から1ヶ月後の、血清中の50%中和抗体価(値が大きい程、中和活性が高いことを示します。)は下記のとおりであり、日本人でも、海外における臨床試験で得られたワクチン接種群の結果(血清幾何平均抗体価316.1、血清幾何平均上昇倍率31.1)と同程度以上の結果が得られています。
(注釈:臨床試験の参加者160人のうち4人は、事前に策定した治験実施計画から逸脱があったため、解析の対象から除外されています。)
発症予防効果が確認された海外における臨床試験と同程度以上に、血清中和抗体価の上昇が認められていることや、複数の国、人種、民族が組み入れられた海外試験において有効性が示されたことを踏まえ、日本人でも、同様にワクチンの有効性が期待できると考えられています。
安全性について(臨床試験の概要)
▷海外における臨床試験
2回目接種後2ヵ月間の安全性を評価しました(2020年11月時点)。
主な有害事象の発現割合は下記の通りでした。なお、有害事象とは、接種後に生じる好ましくない症状のことであり、接種との因果関係があるか分からない、もしくは直ちに判断できない事例のことです。
▷国内における臨床試験
2回目接種後1ヵ月間の安全性を評価しました(2021年1月時点)。
主な有害事象の発現割合は下記の通りでした。
詳細(添付文書等)についてはこちらをご覧ください。(医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ)