【政府情報】 2006年度MRワクチン健康状況調査(速報)について(予防接種後副反応・健康状況調査)2008/05/15

2006年度MRワクチン健康状況調査(速報)について(予防接種後副反応・健康状況調査検討会委員 堺 春美)をお知らせいたします。

1 MRワクチン予防接種後健康状況調査について
MRが市販された最初の年度である2006年度のMRワクチンI期接種とII期接種のまとめを示す。

表1に2005年度の麻しん単抗原ワクチンと風しん単抗原ワクチンの予防接種後健康状況調査と2006年度MRワクチン予防接種後健康状況調査の結果を示す。麻しんワクチンは3製造所で製造され、風しんワクチンは4製造所で製造されている。表1は全製造所の総数の結果である。I期MRワクチンの発熱、発疹、局所反応、けいれん、蕁麻疹の発生頻度は麻しん単抗原ワクチンと同等であった。

【表1】(PDF:22KB)
表2に2005年度の麻しん単抗原ワクチンと風しん単抗原ワクチンの予防接種後健康状況調査と2006年度MRワクチン予防接種後健康状況調査の結果を製造所捌に示す。MRワクチンは武田薬品工業と阪大微研の2製造所が製造しているので、まとめはこの2製造所についてのみである。各製造所別に比較してもI期MRワクチンの発熱、発疹、局所反応、けいれん、蕁麻疹の発生頻度は麻しん単抗原ワクチンと同等であった。

【表2】(PDF:32KB)
風しんワクチンの副反応であるリンパ節腫脹、関節痛につては、微研のI期MRワクチンのリンパ節腫脹が風しん単抗原ワクチンに比較して高頻度であった以外は、I期MRワクチンの副反応と風しん単抗原ワクチンの副反応は同等であった。

発熱・発疹は麻しんワクチンの主要な副反応であるが、II期MRワクチンの発熱はI期MRワクチンの発熱率の1/2.5(武田)、1/3(微研)であり、発疹は1/3(武田)、1/5(微研)であった。II期MRワクチンを受けた児のうちの大半は麻しん単抗原ワクチン接種を受けているために免疫があり、MRワクチンを接種しても発熱もせず、発疹も出ない。II期MRワクチンによって免疫が作られるのは、麻しん単抗原ワクチンまたは風しん単抗原ワクチン歴がないか、あるいは、免疫が減衰した児のみである。そのため、全体でみると、II期の発熱率が低いという結果になったと思われる。

麻しん単抗原ワクチンと風しん単抗原ワクチンを混合してMRワクチンとしても副反応の増強は認められなかった。MRワクチンは我が国における麻疹対策ならびに風疹対策にきわめて有用であると考えられた。

下記ページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0501-2.html