【管内情報】 【保健所健康危機管理事例H19】宿泊施設におけるノロウイルスを原因とする食中毒事例(富山県)

〔作成者〕富山県富山市保健所
〔発生年月日〕2007/12/25
〔概要〕
①患者6 名調理従事者等(配膳係も含む)16 名の糞便からノロウイルスGⅡが検出されたこと。
②患者の主症状は下痢、嘔吐、吐き気等であり、潜伏時間においても、24 日の昼食についてはおよそ33 時間を中心に約20 から56 時間に分布しており、24日の夕食についてはおよそ38 時間を中心に約20 から50 時間にほぼ分布している。これらのことがノロウイルスによる食中毒の症状及び潜伏時間(約24時間から48 時間)とほぼ一致すること。
③この集団発生の前に、患者の家庭等周辺において、同様の症状を発症した者はいないこと。
④当該施設内で食事提供日も含めて、客室、浴室等での嘔吐の処理は行っていなかったこと。
⑤患者62 名の共通食は宿泊施設で提供された12 月24 日の昼食及び夕食のみであること。また、12 月24 日(月)の昼食を喫食した日帰りのグループと12 月24 日(月)の夕食を喫食したグループ間において共通食がないこと。
⑥12 月24 日(月)の夕食を喫食したグループについて、その夕食を喫食した場所は、それぞれ個別の部屋であったこと。
①から⑥の理由に基づき、本件を原因物質ノロウイルスGⅡによる12 月24 日の昼食及び夕食を原因とする食中毒と決定した。
〔原因/端緒〕平成19年12月28日19時20分ごろ、12月24日に富山市内の宿泊施設にて昼食を喫食した者から、15名程度が嘔吐、下痢、発熱等の食中毒症状を発症しているとの連絡が富山市保健所へされた。
〔患者/死者/負傷者〕死者数0名  患者数62名
〔症状/被害状況〕患者の主な症状は、下痢、嘔吐、嘔気、で、原因食品を摂取した93名中、62名が症状を呈した。

公開日:2008年06月30日

カテゴリー: 食品安全