【管内情報】 【保健所健康危機管理事例H19】腸管出血性大腸菌感染症の集団発生について(京都府)(※詳細情報あり)

〔作成者〕京都府南丹保健所
〔発生年月日〕2007/8/30
〔概要〕本件は8月30日から9月11日までの短期間に4グループで発生した焼き肉喫食を原因とする腸管出血性大腸菌O157の集団感染事例である。第1グループ 8月30日発生。5家族11名初発症例-9歳男児。8月21日に焼き肉パーティ。10名に検便・調査実施したところ、3名が陽性(いずれも無症状)であった。

第2グループ 8月30日発生。1家族4名初発事例-4歳男児。8月25日に自宅で焼き肉を喫食。家族3名に検便調査を実施したところ、2名が陽性であった。第3グループ 9月3日発生。1家族5名
初発事例-22歳保育士。8月23日に自宅で焼き肉を喫食第4グループ 9月11日発生。1家族4名初発事例-7歳男児。9月1日に自宅で焼き肉を喫食。いずれも軽症で、抗生物質の投与等で軽快。便培養陰性を確認した。また、保育士の勤務先の園児や職員、小学生の登校先の小学校等においても二次感染者は発生しなかった。

いずれのグループも特定の食肉販売店で牛精肉の他、内臓肉(味付け半調理した腸管を含む)を購入と判明。第2グループ発生時点で、衛生担当による店舗指導、ふき取り調査、従業員検便等を実施したがいずれも陰性であった。焼き肉用食材による食中毒が疑われたが、第2グループでは発端者を含む陽性者3名中2名は焼き肉を喫食しておらず、調理器具等を介した二次感染もあったと推測された。その後、仕入先(と蓄場)の調査で腸管は単一ウシ由来であることが判明。さらに、患者から採取した起因菌のPFGE検査を実施し、すべての泳動パターンが一致したことから疑いは濃厚となった。

このため、と蓄場を所管する当所とと畜検査を担当するT保健所、家畜保健衛生所が連携して、畜場に従事する職員、畜産農家への研修会を行ない、腸管等内臓肉の処理、牛舎環境、搬入ウシの清潔保持等について指導を徹底した。また、管内保育所、幼稚園、小学校、中学校に対し、焼き肉の正しい調理方法等について注意喚起を行った。
〔原因/端緒〕単一ウシの内臓肉(腸管)由来の腸管出血性大腸菌O157による集団感染例(4グループ11名)。 医療機関からの届け出と家族調査、喫食調査、菌検査(DNA指紋法等)で判明
〔患者/死者/負傷者〕発生届け 11人(内訳  患者7人  無症状病原体保有者4人)
〔症状/被害状況〕発熱・腹痛・下痢(水様)・血便

公開日:2008年07月18日

カテゴリー: 感染症