平成20年10月3日
サリドマイド製剤の薬事分科会における審議結果等について
1.薬事分科会における審議結果等
本日、サリドマイド製剤(販売名:サレドカプセル100、申請者:藤本製薬株式会社、平成18年8月8日製造販売承認申請)の製造販売承認の可否等について、薬事・食品衛生審議会 薬事分科会において審議が行われたところである。その審議結果については、以下のとおり。
(1)本剤の「再発又は難治性の多発性骨髄腫」治療薬としての製造販売承認を可として差し支えない。承認条件は次のとおり。厚生労働大臣に答申する。
1.本剤の製造販売・管理・使用等にあたっては、「サリドマイド製剤安全管理手順」を適正に遵守すること。また、本手順の変更については、あらかじめ、厚生労働省の了解を受けなければならないこと。
2.本剤の投与が、緊急時に十分対応できる医療施設において、十分な知識・経験を有する医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみを対象に、あらかじめ患者又はその家族に有効性及び危険性が文書をもって説明され、文書による同意を得てから初めて投与されるよう、厳格かつ適正な措置を講じること。
3.国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施し、定期的に、その結果を公表すること。また、製造販売後の一定期間経過後に、それまでに得られた情報や医学・生物統計学の専門家の意見を踏まえ、適切な臨床試験を実施するなど、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
(2)本剤の安全管理については、医薬品等安全対策部会において確認された確認事項である、藤本製薬、医療関係者、患者及び行政がその役割を認識し、それぞれの責任を果たすものであること、そのうち、行政においては、(1)の承認条件の適切な管理、安全管理の実施に関する第三者評価への関与・支援、先天異常に関する副作用等の評価体制の充実、副作用被害救済制度による救済が可能となるよう努めること、本安全管理手順の移行期等において継続せざるを得ない個人輸入について適切な管理の仕組み作りを進めること、安全管理方策等の周知等の必要な取組を行うこと等が、分科会においても確認された。
(参考)これまでの経緯
○有効性・安全性の評価
平成20年8月11日 医薬品医療機器総合機構の審査報告
8月27日 薬食審医薬品第二部会の審議
8月27日 上記審議結果について意見募集開始
(9月18日まで)
○安全管理方策の検討
平成20年8月13日 安全管理方策に係る意見募集開始
(9月11日まで)
8月26日 第1回サリドマイド被害の再発防止のための安全管理に関する検討会
9月4日 第2回検討会
9月18日 第3回検討会
9月30日 薬食審医薬品等安全対策部会による検討
2.今後の予定
本日の答申を踏まえ、厚生労働省としては、10月中旬を目途に製造販売承認を行えるよう、政省令(広告制限薬の指定、毒薬の指定、処方せん薬の指定)の公布等、必要な手続きを速やかに進めるとともに、サリドマイド製剤の安全管理に万全を尽くすこととしている。
(照会先)
厚生労働省医薬食品局
審査管理課
課長:中垣(内線2733)
課長補佐:内田(内線4221)
安全対策課
課長:森(内線2747)
専門官:山本(内線2750)
(代表)03-5253-1111